滋賀県議会 > 2022-02-28 >
令和 4年予算特別委員会-02月28日-01号
令和 4年 2月定例会議(第25号〜第34号)−02月28日-07号

  • "化石資源"(/)
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  1. 滋賀県議会 2022-02-28
    令和 4年 2月定例会議(第25号〜第34号)−02月28日-07号


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    令和 4年 2月定例会議(第25号〜第34号)−02月28日-07号令和 4年 2月定例会議(第25号〜第34号)                 令和4年2月定例会議会議録(第31号)                                        令和4年2月28日(月曜日)           ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第7号                                         令和4年2月28日(月)                                         午 前 10 時 開 議  第1 一般質問  第2 議第1号から議第16号まで(令和4年度滋賀県一般会計予算ほか15件)(予算特別委員会の設置、同委員会付託および同委員の選任)  第3 議第17号から議第51号まで(滋賀県CO2ネットゼロ社会づくり推進基金条例案ほか34件)ならびに請願の各常任委員会付託           ────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件  第2 日程第2の件  第3 日程第3の件  追加 決議第1号および決議第2号(ロシアによるウクライナ侵攻を非難する決議(案)ほか1件)(議員提出)           ────────────────────────────── 会議に出席した議員(42名)
       1番   井  狩  辰  也       2番   本  田  秀  樹    3番   柴  田  清  行       4番   重  田     剛    5番   白  井  幸  則       6番   村  上  元  庸    7番   清  水  ひ と み       8番   河  井  昭  成    9番   佐  口  佳  恵       10番   小  川  泰  江    11番   黄 野 瀬  明  子       12番   松  本  利  寛    13番   杉  本  敏  隆       14番   田  中  松 太 郎    15番   角  田  航  也       16番   塚  本  茂  樹    17番   山  本     正       18番   大  橋  通  伸    19番   駒  井  千  代       20番   中  村  才 次 郎    21番   桑  野     仁       22番   周  防  清  二    23番   海  東  英  和       24番   加  藤  誠  一    25番   竹  村     健       27番   目  片  信  悟    28番   有  村  國  俊       29番   大  野  和 三 郎    30番   岩  佐  弘  明       31番   富  田  博  明    32番   細  江  正  人       34番   川  島  隆  二    35番   奥  村  芳  正       36番   木  沢  成  人    37番   清  水  鉄  次       38番   冨  波  義  明    39番   江  畑  弥 八 郎       40番   成  田  政  隆    41番   九  里     学       43番   今  江  政  彦    44番   中  沢  啓  子       45番   節  木  三 千 代           ────────────────────────────── 会議に欠席した議員(なし)           ────────────────────────────── 会議に出席した説明員               知事              三 日 月  大  造               教育長             福  永  忠  克               副知事             江  島  宏  治               副知事             中  條  絵  里               知事公室長           東        勝               総合企画部長          川  崎  辰  己               総務部長            森  中  高  史               琵琶湖環境部長         石  河  康  久               健康医療福祉部長        市  川  忠  稔               商工観光労働部長        水  上  敏  彦               農政水産部長          西  川  忠  雄               土木交通部長          野  崎  信  宏               病院事業庁長          宮  川  正  和           ────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員               事務局長            西  出  佳  弘               議事課長            山  本  昌  男               議事課課長補佐         内  田  吉  行   午前10時 開議 ○議長(富田博明) これより本日の会議を開きます。  直ちに日程に入ります。    ──────────────── △一般質問 ○議長(富田博明) 日程第1、一般質問を続行いたします。  発言通告書が提出されておりますので、順次、これを許します。  なお、会議規則第53条において、「発言はすべて簡明にするものとし、議題外にわたり、またはその範囲を越えてはならない」とされておりますので、遵守されるよう、お願いいたします  まず、21番桑野仁議員の発言を許します。 ◆21番(桑野仁議員) (登壇、拍手)皆さん、おはようございます。一般質問最終日、どうかよろしくお願いをいたします。  それでは、発言通告書に従い、内湖再生と外来種駆除について、一問一答で知事、琵琶湖環境部長農政水産部長にお伺いをいたします。  内湖とは、本来、琵琶湖の一部であった水域が沿岸漂砂や河川から運ばれた土砂の堆積等により水路等の一部分以外は琵琶湖と隔たれた水域であり、琵琶湖湖岸の内側に生じた池、沼、沢、クリーク等と呼ばれているものの総称です。また、琵琶湖流域の豊かな生物相を育む水陸移行帯です。  内湖には内湖本来の機能と内湖の利用に関わる機能、この2つの大きな機能があります。内湖本来の機能は生物の生育、生息の場としての環境形成機能、遊水地としての治水機能、集水域から流入した水を一旦貯留した後、琵琶湖に流入させる沈殿池としての浄化機能です。また、内湖の利用に関わる機能としては、利水機能、レクリエーション機能、水産機能、ヨシ等水生植物の生産機能、水上交通機能です。  このように内湖は周辺に住む人々の日常生活に密着した存在であり、生活用水や農業用水に利用され、コイ科魚類を中心とした在来魚の産卵場、稚魚、幼魚の生育の場として重要な機能を果たしてきました。  ただ、内湖は明治から昭和初期には40か所程度、存在をしていましたが、技術革新や生活様式の変化など、時代の流れにより内湖の機能に対する価値が相対的に低下した結果、内湖は利用されなくなり、暮らしの中で遠い存在になってきました。こうした内湖の機能低下は琵琶湖の生態系に大きな影響を及ぼしていると考えられています。  先ほども述べたように、昭和初期には40か所程度あった内湖ですが、今日までにどのように変遷してきたのか、琵琶湖環境部長にお伺いをいたします。 ○議長(富田博明) 21番桑野仁議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) (登壇)お答えいたします。  昭和に行われました干拓事業や埋立て等により、2,902ヘクタールありました内湖の面積は433ヘクタールとなり、約85%が消失しました。このような内湖面積の減少を受け、昭和末期から平成初期にかけて、県では自然保護地公有化事業により内湖の県有地化を進めるなど保全に努めてきたところでございます。一方で、琵琶湖総合開発に伴う湖岸堤の整備が進められた結果、琵琶湖から締め切られて出来た、いわゆる新規内湖と呼ばれる水域が新たに10か所、111ヘクタール生じたところでございます。この結果、現在、存在する内湖は、既存内湖23か所、429ヘクタールと新規内湖の10か所とを合わせて33か所、540ヘクタールとなっております。 ◆21番(桑野仁議員) (登壇)ありがとうございます。  それでは、今、答弁があったように、現在、既存内湖が23個、そして新規内湖が10個あるわけですけども、内湖の現状と課題についてどのような認識を持っておられるのか、琵琶湖環境部長にお伺いをいたします。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えいたします。  内湖は、かつて周辺の人々の暮らしと密接に関わっており、ヨシの生産、真珠養殖の漁場、水草や底泥の肥料としての利用など、暮らしの中で利用されることにより生態系保全や緩衝地帯としての機能が維持されてきました。しかし、時代の変遷を経て、暮らしにおける内湖の価値が低下した結果、内湖の関わりは希薄となり、本来持っていた機能の多くが失われてきました。そして現在、内湖を取り巻く状況は個々の内湖ごとに利用実態や地域のニーズが異なるため、内湖の再生にはこうした特徴等を踏まえる必要があると考えております。 ◆21番(桑野仁議員) (登壇)今の内湖の現状と課題を答弁いただきましたけども、琵琶湖の西岸、西側のほうには堅田内湖、近江舞子沼、そして、乙女ヶ池、松ノ木内湖、五反田沼、菅沼など多くの既存内湖が存在をしています。特に大津市にあります近江舞子沼と堅田内湖、この2つの内湖について現状と課題をどのように認識をされているのか、琵琶湖環境部長にお伺いをいたします。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えいたします。  近江舞子沼につきましては、ヨシ刈りや湖辺清掃などの保全活動に取り組まれている地域住民の方々や、グランピング施設を運営する事業者をはじめとして多くの関係者がそれぞれの思いを持って内湖の保全、利活用に努めていただいているところでございます。今後、これらの関係者の皆さんと内湖のあるべき姿を共有し、どのように協働しながら取組を進めていけるかが課題であると認識しております。  また、堅田内湖につきましても、地域の景観や内湖の環境が課題となる中で、今年度、堅田湖族フェスタが開催されたり、清掃ボランティアの皆さんによる活動が実施されるなど、内湖の保全再生に向けた取組が進められていると認識しております。 ◆21番(桑野仁議員) (登壇)ありがとうございます。  それでは、琵琶湖総合保全整備計画、いわゆるマザーレイク21計画第2期において、重点プロジェクトとして琵琶湖の生きものにぎわい再生プロジェクトが掲げられ、その中に内湖再生プロジェクトがあります。  このプロジェクトは、内湖を再生することにより、在来魚や希少動植物など豊かな生態系を回復するとともに、暮らしを湖に近づけ、琵琶湖と人とのよりよい関係を築き、地域資源を活用した社会成長を図ることを目標としています。内湖全体の目標達成のためには、このプロジェクトの基本理念である「内湖の価値を再発見し、その本来の機能を再生し、琵琶湖や人とのつながりをつくる内湖づくり」の下、基本方針である、自然環境、生態系としての価値、琵琶湖と集水域の緩衝地帯としての価値、人の暮らしを支える価値の3つの価値を重視し、また、特に重視すべき価値として琵琶湖流域の生態系を支える価値の3つのステップ、つまりはステップ1、価値の再発見、ステップ2、機能の再生、ステップ3、成果の現れを踏まえ、個々の内湖において地域に応じた目標を設定することが必要です。個々の内湖再生の第一歩は、先ほども御答弁があったように、地域住民をはじめNPOや企業、国や県、市町など自治体を含めた人たちが、それぞれの立場を超えて、それぞれが内湖本来の機能に改めて価値を見いだすことが大きなポイントとなります。  マザーレイク21計画第2期の10年間においてどのような取組を行い、成果があったのか、琵琶湖環境部長にお伺いをいたします。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えいたします。  一部の内湖では、内湖に流入する農業排水を再利用する循環かんがいや、水路にヨシ等を用いた浄化施設を設置するなどの取組を実施してきたところでございます。また、底泥のしゅんせつによる水質浄化事業やヨシ刈り、産卵河川での産卵親魚の採捕規制なども行ってきました。特に、ヨシ刈りでは、各地のボランティアをはじめとする民間での活動が活発に行われるなどの成果もあり、引き続き、地域住民をはじめとする県民やNPOと連携し、内湖機能の回復に取り組んでまいりたいと存じます。 ◆21番(桑野仁議員) (登壇)それでは持続的な内湖再生の取組については地域住民やNPO、企業に期待される役割は大きいと思います。内湖周辺において環境保全や清掃活動、地域の活性化などに取り組むボランティア団体、数多くの民間団体が存在をしています。  堅田においては、堅田21世紀の会や堅田内湖の環境を守る会、そして、近江舞子でも近江舞子内湖を愛する会、また、新たな協議会を立ち上げる準備もされておられます。内湖再生、自然再生に向けた活動がこの2つの内湖において活発化している状況です。  こうした団体等と協働し、内湖再生に向けた取組を行うことが重要かつ不可欠だと考えます。このことについて、県として今後どのように取り組んでいこうとしているのか、琵琶湖環境部長にお伺いをいたします。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えいたします。  内湖にはそれぞれの特徴や利用実態、地域のニーズ等があり、これらに応じた価値を見いだしていくことが持続的な内湖の再生につながると考えております。特に、地域住民の皆さんは内湖の環境変化を日々の暮らしの中で感じられる最も近い存在であり、内湖再生における主体的な役割として重要と考えております。  そのため、県として、地域の皆さんの主体的な内湖再生の取組につながるよう、話合いの場への参画や情報提供などを行い、内湖の価値を再発見するとともに、地域資源として活用できるよう、連携して保全再生を進めてまいりたいと存じます。 ◆21番(桑野仁議員) (登壇)ぜひ、県として主体的に取り組んでいただきたいなというように思います。  近江舞子では、来月ですけども、内湖周辺環境保全ワークショップの活動として環境省近畿地方環境事務所の方が現地を視察に来られます。私も参加をしようと思っているところですけども、滋賀県からも担当者のほうが出席されるというようにお聞きをしております。視察後の意見交換等々がありますんで、ぜひ、その中でいろいろな意見交換をさせていただきたいというように考えております。  それと、平成12年3月にマザーレイク21計画が策定されて以来、今日までに早崎内湖や西の湖などの内湖再生に向けた投資をどれほどされたのか、琵琶湖環境部長にお伺いをいたします。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えいたします。  早崎内湖の再生に向けましては、用地買収、築堤工事、モニタリング調査などの実施により、平成18年度以降、令和3年度までに約11億円の費用を投資しております。  また、西の湖の再生に向けましては、底泥のしゅんせつによる水質浄化事業など、他部局も含めて過去から様々な取組を実施してきており、令和2年度からは周辺河川からの流入負荷調査、水質改善の対策検討など、約1,200万円の費用を投資しております。 ◆21番(桑野仁議員) (登壇)ありがとうございます。  早崎内湖に関しては、やっぱり相当な費用が投資をされているということですよね。  それと、民間団体等が活動する上で、やはり問題となってくるのが財政的な課題です。内湖再生全体ビジョンでは、財源の確保として「NPO法人となり、会費、寄附金等で運営資金を賄う」「滋賀県民、関係する企業の協力を仰ぎ、基金等の設立を行う」というように明記されています。  琵琶湖や内湖を背景とした暮らしや自然を学ぶ環境学習プログラムを拡充し、有償で来訪者に提供するなどとされていますが、行政と地域、ボランティア、民間団体とが協調しながら内湖再生を進めていこうとするのであれば、やはり県として予算を確保し、財政支援していく必要があると考えますが、琵琶湖環境部長に見解をお伺いをいたします。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えいたします。  内湖再生の具体的な取組を進めていく上では財源をどのように確保するかが大きな課題であると考えております。県における財源の確保には、地域の皆さんの取組を踏まえて、行政が内湖の有する価値をしっかりと評価し、施策の中での優先順位を高めていくことが必要と考えております。その上で、国や県、民間の助成金なども効果的に活用することなど多様な手法によって広く財源を探り、確保していくことが重要と考えております。 ◆21番(桑野仁議員) (登壇)ありがとうございます。  今、いろんな活動をしていただいているんですけども、やっぱりボランティアで今動いていただいているのが大半だというように考えていますんで、県としても、いろんな手法でもって予算のほうを確保していただきたいなというように思います。  平成14年に施行された滋賀県琵琶湖のレジャー利用の適正化に関する条例第18条において、「レジャー活動として魚類を採捕する者はブルーギル、オオクチバスその他の規則で定められている外来魚を採捕したときはこれを琵琶湖その他の水域に放流してはならない」と規定をされています。ここでいう琵琶湖の定義は、河川法第4条第1項の規定に基づき、一級河川に指定された琵琶湖、淀川および西の湖ならびに規則で定める内湖を指します。琵琶湖内での外来魚の駆除は、漁業者皆さんの協力により、えりや刺し網などを利用しての捕獲駆除、瀬田川では、はえ縄などによる捕獲駆除が実施されており、また、産卵期集中捕獲事業として、電気ショッカーボートにより産卵期のオオクチバス親魚を集中的に捕獲するなどにより、外来魚の生息量は、平成19年には2,132トンあったものが順調に減少し、令和元年には401トン、令和2年には410トンとなっています。ただ、ブルーギルの生息量減少に比して、オオクチバスのここ数年の生息量は横ばい状態となっています。引き続き、積極的な捕獲活動が必要です。こうした琵琶湖内での捕獲駆除は順調に推移をしていますが、それを内湖に目を向けてみてはどうなるのか。  まず、内湖における魚種の置き換わりについてどのように把握しておられるのか、農政水産部長にお伺いをいたします。 ◎農政水産部長(西川忠雄) (登壇)お答えいたします。  水産試験場が平成6年から7年度と、その8年後になります平成14年度から15年度の2回にわたって、琵琶湖および河川の魚類等の生息状況調査を実施してございます。その2回の結果を比較いたしますと、西の湖におきましては、採捕される魚の種類数が1回目の14種から2回目は3種に激減をし、ブルーギルやオオクチバスなどの外来種優占の内湖となり、外来魚の侵入によって魚種が置き換わっているということを確認をしております。
     一方、堅田内湖におきましては、コイ科魚類でありますモツゴやエビ類の数が大きく減少しておりますものの、ブルーギルやオオクチバスは多くは確認されておりませんで、置き換わりといいますよりは、むしろ全般的に減少したといった印象になってございます。 ◆21番(桑野仁議員) (登壇)ありがとうございます。やはり随分と魚種は変化しているなという印象です。  内湖で生まれたオオクチバスは仔稚魚期を内湖で過ごし、内湖の外には移出しないと思われます。このことはオオクチバスの駆除を考える上で極めて重要であり、繁殖期に限定して集中的にオオクチバスの密度が高い内湖で本種仔稚魚を駆除すれば、内湖で繁殖したオオクチバスについては相当の駆除効果が期待されると思います。現存するほとんどの内湖でもオオクチバスやブルーギルの生息は確認をされています。内湖における生態系を以前のように戻していく上でも外来魚の捕獲駆除は必要と考えます。内湖における外来魚の捕獲駆除の現状と今後の取組について農政水産部長にお伺いをいたします。 ◎農政水産部長(西川忠雄) お答えいたします。  水産試験場が彦根市の曽根沼で、外来魚駆除の実証試験として電気ショッカーボートなどにより外来魚を強力に駆除いたしました結果、外来魚優占から在来魚優占の内湖に逆転をした成果を得てございます。この知見などを踏まえまして、西の湖や伊庭内湖におきましては、水産資源の回復を目的に、漁業者が電気ショッカーボートや刺し網などにより強力に外来魚駆除などを実施いたしました結果、外来魚生息数は減少傾向になり、ホンモロコなどの在来魚が回復傾向にございます。  県としては、今後も漁場として利用されている内湖を中心に、漁業者による外来魚駆除の取組を支援し、水産資源の回復に努め、その結果は内湖の生態系の回復にもつながってくるものと考えているところでございます。 ◆21番(桑野仁議員) (登壇)ありがとうございます。曽根沼ではそういう成果が出てきたということで非常によかったかなと思います。できれば堅田内湖、近江舞子沼のほうもそういうようなことをお願いしたいなというように思います。  同じ外来種の中でヌートリアがいます。大津市、栗東市、野洲市、高島市、草津市の5つの市が連携して、被害防止対策を総合的かつ効果的に実施するために策定をしている滋賀県西部・南部地域鳥獣被害防止計画において、ヌートリア捕獲計画数が平成29年度から平成31年度、いわゆる令和元年度までは高島市で各年度3頭だったものが、令和2年度から令和4年度については高島市が3頭、草津市が100頭、各年度103頭の捕獲を計画をしています。これだけ捕獲計画数が増えるということは、相当な個体数が、現在、生息しているというように思われます。農作物への被害は草津市で野菜等の食害が発生しているとのことですが、県全域におけるヌートリアの農作物等の被害状況がどのようになっているのか、農政水産部長にお伺いをいたします。 ◎農政水産部長(西川忠雄) お答えいたします。  毎年実施をしております農作物被害状況調査におきまして、直近となります令和2年ではヌートリアによる被害の報告はございませんでしたが、過去5年を見ますと、平成30年度に野菜31アールで122万1,000円、令和元年度には野菜36アールで9万5,000円の被害があったとの報告を受けているところでございます。 ◆21番(桑野仁議員) (登壇)ありがとうございます。  御存じのようにヌートリアは2005年6月に「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」により特定外来生物とされています。  ヌートリアは、第2次世界大戦が始まったあたりから、軍が丈夫で柔らかな毛皮を採取する目的で輸入され、飼育されるようになりましたが、終戦後に毛皮の需要がなくなってしまったことに伴い、飼育されていたヌートリアが逃がされ、野生化が進みました。環境省の調査では、西日本を中心とした幅広い地域に生息をしていることが分かっています。  ヌートリアは繁殖力が非常に強力で、年間3から4回繁殖をし、一度に5から6頭の子供を産みます。また、日本にはヌートリアの天敵がいないため、その数はどんどん増え続けています。食欲も旺盛で、水辺に生息する植物や昆虫の生態系を脅かしているほか、特に水稲の被害が非常に多く、若い苗ほど軟らかくて食べやすいため、被害を受けやすくなっています。今のところ、本県ではヌートリアの農作物における被害は、先ほどの御答弁にあったとおりですが、イノシシやニホンザルのようにそれほどの被害額には達してはいませんけども、頻繁に目撃情報があることから、今後、被害が顕在化するおそれがあります。  もちろん内湖においてもその生息が確認をされています。県として、ヌートリアの被害が顕在化するまでに何らかの策を講じる必要があると考えますが、今後、どのように取り組んでいこうとしているのか、農政水産部長にお伺いをいたします。 ◎農政水産部長(西川忠雄) お答えいたします。  ヌートリアは湖辺を中心とした各地域で目撃をされておりますので、各地域の鳥獣被害対策協議会において情報収集に努めていただいているところです。  農作物への被害が予想されます場合には、各地域におきまして被害防止計画を作成し、箱わななどによる捕獲を中心に、侵入防止柵の設置や、隠れる場所をなくすための緩衝帯整備と組み合わせて計画的な被害防止対策に取り組むよう助言をしているところでございます。今後も各地域協議会と連携をしながら被害防止対策に取り組んでまいりたく存じます。 ◆21番(桑野仁議員) (登壇)内湖では多種の在来魚が生息していますが、先ほども述べたように、オオクチバスやブルーギル、ヌートリアも生息しています。一方で、隣接する琵琶湖や内湖そのものに発達したヨシ帯があると、外来魚の密度が高くても在来魚種数が多いことが指摘をされています。  在来魚の種多様性保全には、オオクチバスやブルーギルの密度だけでなく、琵琶湖と内湖、内湖と周囲の水路や水田との接続状況や、地理的、気候的な要因、また、隣接する琵琶湖や内湖そのものに発達したヨシ帯があるかどうかなどの要素が影響していると考えられます。それぞれの要素がどのように関連し、多様な生物の生息環境をつくり出しているのかを総合的に検討し、それぞれの内湖ごとに歴史性や地域特性を考慮した具体的な生物多様性保全再生のメニューやプログラムをつくり上げることが重要だと考えます。  内湖再生に向けての県の役割と、個々の内湖再生プランを今後どのように進めていこうとするのか、琵琶湖環境部長にお伺いをいたします。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えいたします。  まずは、内湖再生に向けて、地域住民、NPO、企業、行政機関、研究者が再生すべき内湖の価値を理解し、目標とするあるべき姿と再生に向けた課題を共有することが必要と考えております。  県の役割は、地域の皆さんの主体的な内湖再生の取組につながるよう、話合いの場への参画や情報提供などを行うことが重要と考えます。その上で、それぞれの内湖の特徴や課題を整理し、参画する主体の皆さんが自らの強みを生かして貢献できるよう、それぞれの役割や責任について合意形成を図るとともに、内湖の価値を地域資源として活用できるよう、地域主体と連携して保全再生を進めてまいりたいと存じます。 ◆21番(桑野仁議員) (登壇)ありがとうございます。  私の思いもちょっと含めてなんですが、今から半世紀以上前、50年以上前になりますけども、堅田内湖の周りには田畑が一面存在をしておりまして、内湖にはモツゴとかアユとかヨシノボリ、ハス、そしてゲンゴロウブナ、そしてボテジャコ、これはコイ科のタナゴ亜科に属する魚のことで滋賀県での呼び名になっています。多くはタイリクバラタナゴといって、外来種にはなるわけですけども、こういった魚がたくさんいました。ほかにもスジエビとかテナガエビなど多くの魚種などが生息していて、水は今よりも相当きれいで、網を使って魚を取ったり、湖底を足で掘って貝を取ったり、子供の遊び場的な存在が内湖でした。以前は魚を釣る光景が当たり前でしたけども、今はもうほとんど子供たちが釣りをしているところは見ないというのが現状です。  堅田内湖では以前、以前というか今でもされているんですけど、淡水真珠の養殖もされておられます。内湖一面、養殖のためのくいが打たれていたんですけども、今、堅田内湖でされているのは数件、1件だけですかね、のみの状況になっております。  淡水真珠の養殖には一定の濁りは必要なんですけども、やっぱり水質というところをやはり改善をしていく必要があるんではないかなというように考えます。  今の堅田内湖は、以前、中村議員がお話をされましたミシシッピアカミミガメ、これも相当、堅田内湖には存在をしています。やはり外来魚、外来種でほとんど堅田内湖も占められてきている状況があるのかなというように思っています。水質も相当悪くて、汚泥も相当たまっています。一旦、水にはまりますと股下まで沈んでしまいます。それだけ汚泥がたまっているのが堅田内湖の現状です。年1回、地元の人たち、私も参加をして一斉清掃をしております。やっぱり毎年、相当なごみが投棄されている状況もあるというのが現状です。  また、近江舞子沼でも漁業やヨシ刈り等のなりわいの場としての歴史があります。堅田内湖周辺に比べて、まだ自然環境は非常に豊かな場所が近江舞子にはあるんですけども、そうした内湖周辺の自然環境を生かしながら、市民団体によるヨシ刈り活動とか小学校環境学習支援活動、中学校環境学習支援活動などの保全活動、また、昨年には近江舞子いきもの観察会というものが開催をされました。御存じかと思いますが、琵琶湖博士と言われる中学2年生の生徒が大津市におられます。その子を講師に招いて観察会を実施をしたところです。  この生徒は、御存じのように、琵琶湖の生き物に関しては非常に詳しく、2018年度にはラムサール琵琶湖大使に就任して、世界湖沼会議にも出席をしている生徒です。  こうした取組の中で分かってきたのが、やはり外来種の侵入、水質悪化や恵まれた生態系の破壊、そして自然環境や景観が損なわれているということです。内湖周辺の多様な環境変化により仕方ないところがあるとは思います。また、50年以上前の自然豊かな内湖の姿に戻すことも難しいんではないかなというようには思います。ただ、内湖再生全体ビジョンにおいては、「内湖を再生することにより、在来魚や希少動植物など豊かな生態系を回復するとともに、暮らしを湖に近づけ、琵琶湖と人とのよりよい関係を築き、地域資源を活用した社会成長を図ります」を全体目標として、この目標達成時期を2050年頃としています。私はこの目標達成に期待をしており、内湖再生に夢を持っている1人です。以前のように、在来魚が泳ぎ、子供たちの声が飛び交い、生き物の営みなど自然と環境の学習ができる場所、そうした内湖の姿に戻してほしい、戻したいと考えています。  そこで、平成27年9月28日に公布、施行された琵琶湖の保全および再生に関する法律第12条において「国および関係地方公共団体は、琵琶湖における水環境の改善ならびに生態系の保全および再生を図るため、ヨシ群落その他の在来植物の群落、内湖、砂浜、自然の湖岸等の湖辺の自然環境の保全および再生のため必要な措置を講ずるよう努めるものとする」と明記をされています。また、第4条では「国は、琵琶湖保全再生計画に基づく事業が円滑に実施されるよう、その実施に要する費用について必要な財政上の措置を講ずるものとする」と明記されています。  琵琶湖保全再生施策に関する計画第2期の内湖等の保全および再生の中で、内湖などの湿地帯は琵琶湖固有の動植物、特に在来魚の産卵繁殖場として重要な役割を担うなど様々な価値を有していることから、早崎内湖をはじめとした内湖本来の機能の保全および再生を推進するとあります。  内湖等の保全および再生には多額の投資が必要となってきます。知事は内湖の重要性や再生に、私は相当な思いを持っていただいているというように信じています。県として、この法律等にのっとり、今後の内湖の保全再生に向けた事業計画を明確にし、国から予算が得られるよう、しっかりと取り組んでいく必要があると思いますが、知事の見解をお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  内湖は、荒々しい「ソトウミ」である琵琶湖の本湖に対しまして、文字どおり穏やかな「ウチウミ」として一対をなし、人と生物の共通の営みを通じて、長い年月をかけて形づくられた多様な価値の集合体であると考えております。県といたしましても、こうした内湖の有する価値をしっかりと評価し、施策の中での優先順位を高めることが内湖再生の財源を確保するために必要かつ重要だと考えております。  議員御指摘のとおり、内湖の保全および再生につきましては、昨年3月に策定いたしました第2期の琵琶湖保全再生施策に関する計画にも位置づけ、取組を推進しているところでございます。県におきましては、この計画に基づき、国の支援も求めながらしっかりと財源を確保し、内湖の保全再生に向けて着実に取組を進めてまいりたいと存じます。 ◆21番(桑野仁議員) (登壇)ありがとうございます。ぜひ、国からの支援が十分取れるよう、滋賀県としてお願いをしたいなというように思っています。本当に皆さん、苦労しながら内湖再生に向けて一歩一歩進んでおられますんで、ぜひ、県としての御支援もお願いをしたいというように思います。  先ほどお話をしていましたように、2050年頃を最終目標としているわけですけども、前回、知事も何かそのときには100歳になるというようなお話をされていましたけども、2050年になりますと今から28年後になります。私もその時期には90を超えてしまうという年になります。そこまでいられるかいられないか分かりませんけども、ぜひ、早期に個別プランのほうの作成に取りかかっていただいて、1年でも2年でも早く内湖再生の全体目標が達成をできますよう事業展開を進めていただくということを切にお願いをいたしまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(富田博明) 以上で、21番桑野仁議員の質問を終了いたします。  次に、9番佐口佳恵議員の発言を許します。 ◆9番(佐口佳恵議員) (登壇、拍手)発言通告に従い、滋賀県CO2ネットゼロ社会づくり推進計画について質問いたします。  昨年──2021年8月9日、国連の機関であるIPCC──気候変動に関する政府間パネル、第1作業部会から第6次評価報告書が公表されました。その中で、99%の確からしさを持つときに使われる表現をもって「地球温暖化が人間の影響によりもたらされたものである」と明言されたことは世界に衝撃を与えました。いよいよ一刻も温暖化ガスの削減を先延ばしにできない状況となってまいりました。  そして、2018年にIPCCが発表した「1.5℃の地球温暖化」と題する特別報告書、以下、1.5℃特別報告書といいます。この特別報告書では、地球温暖化が1.5℃までに抑えられるか2℃以上となってしまうかの大きな違いが指摘されています。一例ですが、夏に北極海が凍らない確率を10年に1度から100年に一度へと下げられるかどうか、サンゴ礁が99%以上死滅、事実上の絶滅です、絶滅するのを10%から30%くらい生き残らせることができるかどうか、グリーンランドや南極の氷床、永久凍土の融解など取り返しのつかない変化、不可逆的な変化が起こってくる可能性やそのリスクも考えると、この0.5℃の違いは非常に大きいものです。  ところで、IPCCは1988年にUNEPとWMOにより設立されました。195の国と地域が参加しており、2007年にはノーベル平和賞も受賞しています。IPCCの報告書のレベル感を感じていただきたいので御紹介いたしますが、例えばただいま挙げた第6次評価報告書は、世界66か国から政府推薦の234名の研究者が世界の論文1万4,000本を引用し、3回の査読、これは評価、検証ですね、を行い、これまた世界中の専門家から7万8,000件ものコメントが寄せられ、その全てに執筆者が対応し、それらが全て公開されているという極めて厳密で透明性が高い報告書です。  1.5℃特別報告書も、各国政府から推薦され選出された約40か国91名の執筆者が査読つきの論文や公的報告書などを調査検討して作成されています。実際に、パリ協定や国際条約の科学的根拠として用いられていることからも分かりますが、このIPCCの報告書は、気候変動に関する世界の知見、知性の集約であり、エビデンスの中のエビデンスと言えます。  そのIPCC1.5℃特別報告書において、地球温暖化を1.5℃に抑えるにはCO2の排出量を2030年までに2010年水準から約45%減少させること、2050年に正味ゼロ、すなわちネットゼロにすることが必要であると示されています。  ここで、滋賀県CO2ネットゼロ社会づくり推進計画、以下、本推進計画といいます。本推進計画を見るに、目標値は2010年ではなく、2013年度比50%削減です。ぱっと見ると50%とあるので、IPCCの基準45%を満たしているかのようですが、この何年度比かというのが非常に重要で、2013年度比50%というのは、2010年度比で計算し直すとおよそ38%減程度にとどまるのです。  2013年度分の50%減らすということを具体的に申すと、滋賀県でいえば、2010年の排出量1,157万トンの半分、約577万トンまで下げることを目標としなければならないはずが、2013年の排出量1,422トンの半分、約711トンまで下げようという目標になっているということです。この差、134万トン。今の目標にさらに134万トン削減を盛り込まねば、世界のエビデンス、IPCC1.5℃特別報告書が求める基準まで届きません。今のままではサンゴ礁が絶滅し、グリーンランドの氷床や永久凍土が解け、不可逆的な気候変動を引き起こす可能性を高めるという中間的な削減シナリオになっています。  本推進計画では、国が掲げる2013年度比46%よりは高い目標値であり、厳しい中で担当課も頑張ってくださっているとありがたく感じてもいます。  サンゴ礁というと遠い話のように感じますが、全層循環、台風、これまでにない大雨、身近にも滋賀県で感じる影響が出てきています。農作物や、そして、既に気象庁の研究により出ていますが、多くの死者を出した西日本豪雨は温暖化の影響が大きかったとされているようですので、何より県民の皆様の命にも関わってまいります。可能な限り目標値をIPCCが示す55%以上にしていただくこと、それがどうしても無理であるなら、せめてIPCCが求めているのは2013年度比55%であること、国際間の公平性などを考え合わせ合わせると55%よりさらに高みが求められていくことなど、より高い意識を持つ県民、県内事業者の皆様に目指していただくためのもう1つの目安として、国際的な視点での記載を注釈として載せることだけでも御検討いただきたいと考えます。これは、既に滋賀において芽吹いているムーブメントを後押しし、さらには、県民の皆様の知る権利にも資するであろうと存じます。  こうした、CO2ネットゼロ社会づくり推進計画において別添や注釈を活用してのさらなる高みの可視化について知事のお考えを伺います。  CO2ネットゼロに向けて目標値を達成し、県民、県内事業者の皆様にムーブメントを起こそうと思うなら、全ての部局が協力し合うことはもちろん、手伝っている感覚ではなく、主体的に常にCO2ネットゼロを意識しているのが望ましいと思います。言うはやすく行うは難しで、コロナ禍が県職員の皆様の多忙さに追い打ちをかける中、CO2といえばCO2ネットゼロ推進課と言いたくなる状況があったり、自分の部局の仕事がどうCO2と関わるかを意識したりする余裕もないという状況だったりするかもしれません。ですが、CO2ネットゼロ推進課にしても、予算、人員、権限なく仕事をたくさん振られてもお手上げ状態になるしかありません。県民や県内事業者の皆様に自分事とすることを求めるわけですから、県庁という総体ではなく各部局、一見関係なさそうな部局は特に自分事、自分の部局のこととして脱炭素、CO2ネットゼロとの関係でできることをまず考えてみることが必要になってくると思われます。言わば本推進計画実現に向けた県庁内しがCO2ネットゼロムーブメントの改めての喚起、継続しての喚起です。  現状、まだまだ各部局においての意識改革が必要であるようにお見受けしておりますが、知事のお考えを伺います。  知事の常々の御発言からも、強制や無理やり、暗い怖い気持ちだったりではなく、明るく楽しく取り組めるようにとお考えなのだと拝察しております。基本的に同感です。しかしながら、相当厳しいCO2ネットゼロを実現するには危機感の共有も重要と存じます。  環境は平和や健康といったものに似ているところがあると思います。人間が生存している環境、それが失われてしまえば全てを失いかねません。ですが、目の前のことに追われ、つい後回しにしがちです。今も、コロナ禍にあり、目の前の課題でそれどころではない方も多いでしょう。ただ、逆に、正確に知り、正しく恐れ、日々一つ一つの行動を選択していきたいという方も少なからずいらっしゃると思います。正しく恐れることは重要です。病気の告知と一緒です。虫歯のとき、「今、削らないと歯を抜くことになりますよ」とか、がんが小さいうちに「今、手術したら助かりますよ」と言ってほしいという気持ちと同じです。  広報誌の今の明るいCO2ネットゼロの記事もすてきなのですが、危機感も共有できるように、例えば、毎回、ネットゼロのロゴマークや明るい話題とともに、CO2ネットゼロを達成できなかったとき何が起こるとされているか、科学者の見解を紹介する、世界各地の気候変動の厳しい現実の記事を紹介する、国の啓発動画のQRコードを貼るだけでも違うと思います。  しがCO2ネットゼロムーブメントを起こすための広報課における広報広聴のお取組の状況と、気候変動、CO2ネットゼロの広報の今後の在り方について知事公室長に伺います。  滋賀県には発電所がなく、エネルギー転換部門の排出がないため、県民1人当たり温室効果ガス排出量は日本全体より低いものの、製造業が多いものづくり県である特徴から、産業部門の1人当たり排出量は全国レベルを上回っています。また、産業部門の削減に関しては、排出係数分の割合が7割超えと多いこと。その排出係数は2030年度時点での国の電源構成を参考としているため、原子力発電分を20%から22%で試算なさっています。私の立場からは将来的にここをゼロにしてというお話が出てくるわけですけれども、それはまたの議論として、現状は6%であり、県において活用できる環境がまだまだ整っていないとの考え方を示されていますので、省エネと再エネによる一層の削減を目指しておかねば産業部門の削減目標の達成は厳しいものになると見込まれます。  それも踏まえると、これまでも各企業におかれて様々お取り組みいただいているとは聞いているので心苦しいながら、データだけを見ていると、産業部門の削減目標が低く感じられてしまう側面があります。省エネのほうが特にですね。目標値を引き上げていただきたいところのはずですが、それができない滋賀の産業構造の特性など、理由があるのであれば、逆に、県民の皆様にも分かりやすく説明していただきたいと考えます。  本計画における産業部門の削減目標の算出根拠について総合企画部長に伺います。  地球規模の課題ですので、どうしても議論が重く暗くなりがちですね。ここからは何点か、希望が持てる内容について伺いたいと思います。  さきの質問への御答弁をいただく前ですが、滋賀県内の産業構造上は、電化して、その電気を再エネで発電するという手法が使いにくいなど、対策を行う上で難しい課題があると推察しております。ですが、報道ベースですが、例えばユーグレナ社のミドリムシ油脂を用いたバイオジェット燃料や、川崎重工の世界初の液化水素運搬船「すいそふろんてぃあ」、CO2から燃料を作るメタネーションに関するニュースなど、テクノロジーの進化は目覚ましいものがあります。  県内企業が必要とされる熱需要にも対応できる技術が生まれんとするときは、開発か、情報提供なのか、燃料確保なのか、何がお手伝いできるか未知数ですが、ぜひ具体的にCO2ネットゼロ社会づくり推進計画に、次の改定の際、入れていただきたいと思いますし、県内企業へ県のCO2ネットゼロに向けた支援をお願いしたいと存じます。  滋賀県においても、厳しい中で先進的な取組を推し進めてくださっている企業は存在していると伺っており、それらが県内における先進的なお取組、ムーブメント創出につながっていくことを期待しております。  しがCO2ネットゼロみらい賞を創設されたと伺っていますが、その成果について総合企画部長に伺います。  また、本推進計画においては、様々ある次世代エネルギーの中で水素を重視されている様子がうかがわれます。家電のビデオにおける、かつてのVHSかベータかという議論ではありませんが、県民、消費者にとってみると、自動車1つを取っても電気自動車であるEVなのか、ガソリンを使うHVなのか、水素のFCVなのか、種類が多いゆえにどれが主流になるか迷われ、それが導入をとどめてしまう側面もあろうかと存じます。  滋賀県において、水素に選択的に注力する理由について総合企画部長に伺います。  CO2ネットゼロをさらに推し進めるために、ムーブメントの担い手でもある県民、県内事業者の皆様に関与いただける仕組みを構築していただきたいと考えます。さきのIPCC評価報告書を作る科学者の皆様は基本的にボランティアだそうです。環境先進県である滋賀県ですので、県民におかれても環境意識が高く、今議会でも10代、20代の若者の皆様でCO2ネットゼロ社会づくり推進計画に関する提言や請願が提出されました。  かつて法律職で働いていた時代の経験ですが、ある特定の分野に関心があり、その分野の勉強を長く継続して深めている市民の方のほうが専門家顔負けの知識をお持ちのことは少なくありません。私も今回、様々勉強させていただきました。そのような方々とあれやこれや虚心坦懐に議論する中で、解決策や新たなアイデアが生まれることは少なくありません。ぜひ、環境先進県だけあって既にムーブメントが起きている滋賀ですので、市民、専門家参画型の会議を継続的に設置し、本推進計画などについても進捗の点検を行っていただける県民参画型の仕組みを構築していただきたいと考えます。  既にさきの代表質問の御答弁などでもコンソーシアムやサイト上のプラットフォームを作られることは伺っておりますし、パブコメへの回答においてもワークショップの定期的開催などに言及されていますが、イベント的なものだけではなく、一定の調査資料や情報の提供なども含めた監査的な点検を行える仕組みとなることを願います。市民、専門家も参画する形となることを願いますが、次年度はどのような取組を進めようと考えておられるのか、総合企画部長に伺います。  既に気候変動への対応は、社会貢献ではなく、経済活動への参加条件、パスポートとして求められる時代になっています。温暖化は人間の影響によることが断言された衝撃は大きく、そのスピード感はますます増してくると思われます。  大企業では共通の認識となっておられると思いますが、長引く不況とコロナ禍であえぐ中小企業の皆様におかれては、まだまだ余力のある企業が行うことだという感覚は根強いのではないでしょうか。そうこうしているうちに取引先から脱炭素の対応を求められる日がやってきて、急に言われても設備投資などの対応ができないといった事態が生じるのではないかと危惧しております。  厳しい今ですので、まずは意識を持っていただくところからだと思いますが、脱炭素の問題は社会貢献ではなく、取り組まないことが経済リスクなのだということについて警鐘を鳴らさなければならないと考えます。また、もし脱炭素に向けたよい商品、サービスがある場合や早く取り組めた場合はビジネスチャンスともなり得ます。  多くの製造業が立地する工業県として、また、経済成長と環境保全の両立に官民挙げて取り組んできた本県として、企業の技術開発や新技術の波及を今後どのように支援し、CO2ネットゼロに資する取組を進めていこうとされているのか、厳しい経済環境の中で、脱炭素のことも考えていただかなければならない中小企業に対してはどのようにアプローチをしていかれるのか、今度は商工観光労働部長に伺います。  続いて、CO2ネットゼロ社会づくり推進計画における2050年CO2ネットゼロを達成した滋賀県の姿でも大きく描かれておりますが、農林水産分野でもゼロエミ農林水産業や農山漁村RE100などが期待を持って語られています。滋賀県においても、土地改良施設等を活用した、仮称、滋賀県CO2ネットゼロヴィレッジを構築されるとのことです。  一例ですが、のり面の管理が難しいという課題を、そののり面に太陽光パネルを設置し、得られた電気をその場で電気獣害柵や草刈り機や地域の防災電源に使うというように、維持管理という課題を、省力化しつつ、地域の電源コストを下げつつCO2ネットゼロにつながっていくというような、課題を資源に、売電から地産地消に、経済性重視の施設整備から生活に溶け込んだCO2ネットゼロの取組として転換していかれると伺い、期待しております。  県の真ん中、やや西寄りに日本最大の琵琶湖を擁する滋賀県農業における特徴の一つとして、農業用水の4割が琵琶湖からの揚水であることが挙げられます。低いところから高いところへと水を揚げますので、当然、電気などエネルギーを使用しますが、このエネルギーを再エネで賄う、揚げて下りてくるときの水の流れを再びエネルギーへと転換したりできないものでしょうか。  企業庁におかれても、管水路用マイクロ水力発電システムを設置されるなど、小さなエネルギーを余すところなく使おうとする姿勢が示されています。最近では、落差1メートルから発電可能で設置も簡単というような非常に小型の小水力発電機も開発されているようですし、売電となれば、電力会社の設備の存在、不存在が課題となりますが、エネルギーの自家消費、再エネ地産地消ということであれば検討しやすいように感じます。  私も小さな太陽光パネルを購入し、蓄電池にためて、その電気を電動自転車に充電したりしているんですが、お金には代えられない、何とも言えない感動があります。もちろん機材のライフサイクルの中でのCO2排出量についても意識しなければなりませんが、規模の大小ではない、環境を好転させるインパクトを生めるのではないでしょうか。ぜひ、このたびの仮称、滋賀県CO2ネットゼロヴィレッジにおいて、農業用水からのエネルギー取り出しモデルをつくり、試してみていただきたいと考えます。  まず、この仮称、滋賀県CO2ネットゼロヴィレッジ構想において、農業用水を活用した小水力発電について導入をされる予定はありますでしょうか。次に、もしないのであれば検討していただきたいと思いますが、農政水産部長のお考えを伺います。  CO2ネットゼロを実現するには、個人の変化はもちろん重要ですが、その人を取り巻く社会の側、社会システムを変化させることも重要です。脱炭素に向けて、社会システムを無意識にCO2ネットゼロにつながるほうを選択していたとか、自動的にCO2ネットゼロにつながる行動をしているという状態にまで組み上げられれば理想的です。そのためには、一定、規制的手段や見える化、知っていただくことが重要になります。  一例ですが、国において2013年から議論が開始され、過去2度、見送られてきましたが、新築住宅の省エネ基準適合義務化、そして、住宅の品質確保の促進に関する法律に基づく住宅性能表示制度におけるZEH、これはゼロエネルギー住宅の断熱基準、現在は最高レベル4であったところを、その外皮基準を上回る断熱等性能等級6および等級7を創設されるなどの動きは、まさに規制や見える化、仕組みづくりをなさっている好例です。  都道府県においても、鳥取県は県独自の省エネ住宅基準を満たした住宅をとっとり健康省エネ住宅として認定され、認定の際に、高断熱高気密住宅の設計施工上の留意点に関する技術研修を修了した方が関与されることを条件となさっています。同時に、eラーニングや外皮計算についての研修を実施し、レポートを提出した方に外皮断熱性能計算プログラムをプレゼントされるなど、県内事業者の皆様に向けての研修、人材育成の施策を行っておられます。  さきに挙げた省エネ断熱基準の義務化が2020年から2025年に延びた理由の1つに、省エネ基準などに習熟していない事業者が相当程度、存在するという背景があったようです。確かに従業員規模が小さい事業者様はお困りになられるかもしれません。  2025年の省エネ住宅義務化が見えている状況でもあり、地域における断熱住宅の実装に当たっては、地元で施工を担ってくださる業者の育成が重要と考えられます。現在は、県も参画する湖国すまいづくり協議会が相談窓口を設置する等をしてくださっているとは仄聞しますが、滋賀県として、県全域の施工業者、特に従業員数が少ない小規模事業者におかれての人材育成に向けた支援の現状について土木交通部長に伺います。  気候変動の問題は、後になればなるほど対応に必要なコストは大きくなると指摘されています。以上、様々申し上げてまいりましたが、施策に付き物の予算、財源の問題はCO2ネットゼロの達成の上でも極めて重要かつ深刻です。  県の取組をひもとく中、ここ滋賀県においては、かつて、法定計画等とは別に、滋賀県低炭素社会実現のための工程表を作成されていたことを知りました。その第4章において、当時は低炭素ですが、脱炭素社会を実現するために必要な20年間の累計経費は全体経費で7兆円から8兆円、公的負担で約1兆円と推計されたとの記載がありました。単純計算で年間500億円となります。通常、5,500億円規模の滋賀県において、福祉その他、課題山積の中で500億円を捻出することは到底難しい。はっきりと不足していることが分かります。  財源確保の手法は様々ですから、今回のようにグリーンボンドを活用した再生可能エネルギー事業やファンディングなどの手法も期待されます。ですが、これだけ多額となると、つらいながら、いずれ環境税について県民の皆様や関西広域連合など、タイミングを見て税について投げかけ、議論していくことも視野に入れていかねばならないように思われます。  税制審議会において、炭素税については、都道府県間での差に配慮し、国への要望とすることがよいと御意見として出されたと仄聞しておりまして、私もそれは理解できます。もしCO2ネットゼロ社会づくり税制を議論するのであれば、現在行われている中では琵琶湖森林づくり県民税が参考になるのではないかと思われます。森林環境税、森林環境譲与税、琵琶湖森林づくり県民税の仕組みです。当然、県民の皆様の御理解、御納得が必要となりますし、環境の人権面がもっと意識されなければ導入などできないと存じます。加えて、お問合せや様々なお声をいただく窓口は市町となられることから、慎重かつ丁寧な市町との御相談も重要でしょう。だからこそ長い時間がかかります。  環境先進県の歴史、意識の高さ、税ではありませんが、石けん運動の際に環境面の問題を公共の福祉の制限として規制を行ってきた、そういう議論を行った歴史を持つ滋賀県ですので、交通税の議論を行っている上に、さらに税、税と申し上げるのは甚だ恐縮である反面、税について議論を行っている今だからこそ、環境税について議論だけでも開始してみてはどうかと考えております。  コロナ禍とその影響の収束が一定見えてからとなるかもしれませんが、税制審議会でCO2ネットゼロ社会づくり税制について議論されてきたところであり、交通税の議論についても行うこの機会に環境税の導入について議論を開始することについて、総務部長の見解を伺います。 ○議長(富田博明) 9番佐口佳恵議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)滋賀県CO2ネットゼロ社会づくり推進計画についてということで11点、御質問いただきました。6人の部長等とともにお答えをさせていただきます。私には2点いただきました。  まず1点目、削減目標についてということでございますが、さらなる高みの可視化についてです。  現在策定中の滋賀県CO2ネットゼロ社会づくり推進計画案では、温室効果ガス排出量を2030年度において2013年度比で50%削減するという、国を上回る野心的な目標を掲げたところであり、この目標の実現は決して容易ではなく、まずはその達成に向けて、様々な主体と連携して取組を着実に進めていきたいと考えております。しかしながら、この目標に満足することなく、県民や事業者、各種団体、市町の皆様とともに、さらなる高みに挑戦していくことも重要であると認識しております。  つきましては、琵琶湖・CO2ネットゼロ対策特別委員会において同様の御意見をいただいていることも踏まえまして、本計画にその旨を明記することとし、より実効性の高い施策を積極的に講じていく所存でございます。  2点目、各部局の意識改革についてでございますが、CO2ネットゼロ社会を実現するためには、まずは県の各部局においてCO2ネットゼロに対する高い意識を持つ必要があると認識しております。このため、今年度は庁内各所属の事務分掌にCO2ネットゼロに向けた事務事業の推進に関する事項を盛り込むとともに、各部局の組織目標にもCO2ネットゼロに貢献する目標を設定することにより、職員の意識改革および全庁挙げての取組の強化を図ったところでございます。  また、私を本部長といたします、しがCO2ネットゼロ推進本部におきまして、今般の条例、計画を全庁的に検討してきたところであり、県庁率先行動やCO2を排出しない地域づくりなど重要なテーマについては部局横断のプロジェクトチームを設置いたしまして、施策の検討、推進を図っているところでございます。
     今後とも、職員一人一人がCO2ネットゼロ社会の実現に向けた取組を自分事として捉え、従来の発想を転換し、より大胆に施策を考え、実行していけるよう、あらゆる機会を通じて、さらなる意識の醸成を図ってまいる所存でございます。 ◎知事公室長(東勝) (登壇)滋賀県CO2ネットゼロ社会づくり推進計画について、私にいただきました3点目の広報広聴に関する御質問にお答えをいたします。  CO2ネットゼロ社会づくりに向けた広報の取組につきましては、今年度、県広報誌滋賀プラスワンやテレビ滋賀プラスワンなどにおきまして、ムーブメントのロゴマークや、しがCO2ネットゼロみらい賞を受賞した企業団体の取組を紹介するなど、県民の皆様がCO2ネットゼロ社会をより身近な問題と感じ、具体の取組につなげていただけるような情報発信を行ってきたところでございます。  また、広聴の取組といたしましても、今後の施策検討の参考とするために、今年度の県政世論調査におきまして、脱炭素社会づくりについてをテーマといたしましてCO2ネットゼロに関する認知度やイメージ、地球温暖化や気候変動の影響などに関する県民の意識や、日常生活の中で実践している取組などについて調査をしたところでございます。  今後の広報の展開に当たりましては、県民の皆様の心に響き、実際の行動につなげていただけるような発信がこれまで以上に重要であると考えておりまして、気候変動による危機を県民お一人お一人に自分事として捉えていただき、それぞれの主体的な行動や、連携による新たなつながりが喚起され、“しがCO2ネットゼロ”ムーブメントがさらに拡大していきますよう、より効果的な広報広聴に取り組んでまいりたいと存じます。 ◎総合企画部長(川崎辰己) (登壇)滋賀県CO2ネットゼロ社会づくり推進計画について、私にいただきました4点の質問にお答えをいたします。  1点目、産業部門の削減目標の算出根拠についてでございます。  本県における温室効果ガス総排出量は、2018年度では2013年度比で約21%の減となっておりまして、うち産業部門は約28%減と総排出量に比して大きく削減が進んできたところでございます。さらに、現在策定中の計画においては、2030年度における産業部門の削減目標を2013年度比で45%減としておりまして、これまでの企業努力による大幅な排出削減がありながらも、国の産業部門の目標である37%減を上回る目標を設定したところでございます。  この目標につきましては、まずは国による温暖化対策による削減効果をベースといたしまして、本県に所在しない製鉄所向けの対策を除くなどした上で、全国と本県のGDP比で削減見込量を案分して算定をしております。加えて、再エネ導入による自家消費等による削減分を見込みますとともに、本県独自施策としまして、事業者行動計画書制度による取組の加速化、あるいはエネルギー管理士など専門家による省エネ取組のフォローアップなどの事業の実施による削減分を上積みするなど、本県の実情に即した算定を行ったところでございます。  2点目、しがCO2ネットゼロみらい賞の成果についてでございます。  この表彰制度はCO2ネットゼロ社会づくりに関する県民や事業者、団体などの優れた取組をたたえるとともに、広く紹介することでムーブメントの輪を広げることを目的といたしております。  第1回目となりました今年度は、先進導入・実践部門といたしまして、RE100を達成した工場の取組とBDFを活用した取組を、製品・サービス部門といたしまして、水素ボイラーの開発、太陽熱を活用した木材乾燥庫、地域づくり部門として、地域ぐるみでCO2ネットゼロに取り組む団体をそれぞれ選定いたしまして、昨年12月に開催いたしましたシンポジウムにおいて知事から表彰を行ったところでございます。  これらの取組について、県のパンフレットなどにより周知を図りますとともに、メディアにも取り上げられ、県内外に発信することができたと考えております。今後とも引き続き、この表彰制度を通して、先進的に取り組んでいただいている企業や県民の皆様のモチベーションの向上を図りますとともに、CO2ネットゼロ社会づくりの取組がさらに広がっていくように展開してまいりたいと思っております。  3点目、水素の利活用に取り組む理由についてでございます。  水素は利用段階でCO2を排出しない優れた特性のあるエネルギー源であると認識をいたしております。本県には水素関連技術を有する企業や水素関連分野を研究する大学等が立地をしていることに加えまして、水素については、バス、トラック、自家用車等の動力源としての活用が想定をされますが、本県は大阪圏、名古屋圏の中間に位置する交通の要衝でもございます。運輸関連事業者も多く、水素利活用のポテンシャルも高いと考えております。  こうしましたことから、現在策定中の推進計画におきまして、次世代エネルギーとして期待が高まる水素エネルギーを活用した滋賀発の革新的イノベーションの創出を図ることといたしておりまして、令和4年度におきましては、仮称、滋賀県水素戦略の策定や水素技術の社会実装および事業化に向けた取組の支援によりまして、事業者の積極的な事業展開や多様な主体との協働による取組を促進してまいりたいと思っております。  4点目、市民、専門家の参画についてでございます。  議員御指摘のとおり、CO2ネットゼロ社会づくりの推進におきましては、県民や専門家などの幅広い方々の主体的な参画が重要であると考えておりまして、推進計画案におきましても、ウェブサイトやワークショップなど多様な手法で意見を交換する機会を設けていくことといたしております。  具体的には、来年度からウェブ上によるプラットフォームサイトを開設し、双方向のコミュニケーションや企業間の情報交換を行うこととしております。また、直接、顔を合わせて意見交換する場として、ムーブメント賛同者などによりますコンソーシアムを設置いたしまして、年2回、会議において意見交換などを行いますとともに、次世代を担う若者などによるワークショップを開催し、自分たちの今後の取組を考えるきっかけづくりとすることを考えております。  こうした取組の中で、推進計画の進捗管理につきましても広く県民や若者の皆さんと意見交換を行えるよう工夫を図ってまいりたいと考えております。 ◎総務部長(森中高史) (登壇)私への、環境税導入の議論開始についての質問にお答えいたします。  温室効果ガス排出者の行動を変容させるとともに、脱炭素化の取組の財源ともなる炭素税につきましては、現在、国で議論が行われているところであり、炭素税が導入される場合には、CO2ネットゼロ社会づくりのための財源として適切な地方配分がなされる必要があることから、検討状況を注視しつつ、適時適切な政府要望等を行ってまいりたいと考えております。  また、御指摘のとおり、現在、地域公共交通を支えるための税制の導入可能性について税制審議会に諮問し、議論を行っているところでございまして、地域公共交通を支え、地域公共交通の利用促進を図ることはCO2ネットゼロ社会づくりに資することから、そういった観点も考慮して検討しているところでございまして、まずは地域公共交通を支えるための税制の検討に注力してまいりたいと考えております。 ◎商工観光労働部長(水上敏彦) (登壇)私にいただきました、企業の技術開発等への支援と中小企業へのアプローチにつきましての御質問にお答えをいたします。  CO2ネットゼロ社会を実現し、経済と環境の好循環をつくっていくためには、世界的な脱炭素化の潮流に取り残されることなく、滋賀の成長を支える多様な産業と雇用の創出を目指していくことが求められております。ただ、これを実際の企業現場、特に経営資源に限りのある多くの中小企業において力強く進めていくためには大変な努力を要します。  商工観光労働部では今年度、企業の皆さんのお声を施策立案につなげるため、横断的なタスクフォースを設置し、県内企業48社を訪問して意見交換を行ってまいりました。この中で、特に中小企業の皆さんからは「サプライチェーン全体で排出量削減が求められているが、専門人材が不足している」、また「ライフサイクル全体で排出量を可視化することが難しい」といったお声や、「企業間で情報共有、連携できる場や研究開発への支援が欲しい」などの御意見をいただいているところでございます。  このため、来年度は、理解、評価、アクションの3段階で企業のCO2ネットゼロへの取組を支援することとしております。  まずはネットゼロへの取組の必要性やメリットを分かりやすく周知するセミナーの開催や情報交換の場づくりなど、理解の促進、そして、分かりやすいCO2排出量計算システムの公表や相談窓口の設置、専門家派遣診断などによる評価の支援により企業にアプローチをするとともに、ネットゼロに重点化した補助事業や工業技術センターによる技術支援などを通じて研究開発や実証実験を推進するなど、企業のアクションを加速化してまいります。県内企業が大きな社会経済構造の変化に取り残されることなく、CO2ネットゼロへの対応を新たな価値を生み出す成長の機会と捉え、取組が進められるよう、企業現場からのお声やニーズを踏まえ、寄り添いながら支援を行ってまいりたいと存じます。 ◎農政水産部長(西川忠雄) (登壇)CO2ネットゼロヴィレッジ構想における小水力発電の検討についてお答えいたします。  構想では、農村地域に潜在をしております様々な再生可能エネルギーをそれぞれの地域の特徴に合った形で掘り起こすことを考えてございます。  多くの地域で共通して取り組めるものとして太陽光や風力発電を例示してはおりますものの、小水力発電も含めた幅広い再生可能エネルギーの地産地消に向けた取組を検討してまいりたいと存じます。 ◎土木交通部長(野崎信宏) (登壇)私にいただきました、省エネ住宅の事業者育成に向けた支援についてお答えいたします。  CO2排出削減に寄与する省エネ住宅の推進に当たっては、地元で施工を担っていただく住宅事業者の技術力に加え、建築主に対する省エネ基準等に関する説明力の向上が大変重要と考えております。このため、これまでから建築士会や建築士事務所協会などの関係団体と構成する湖国すまい・まちづくり推進協議会におきまして、小規模な工務店や設計事務所も含め、住宅事業者を対象とした講習会等により、住宅の省エネ化、断熱化の推進に係る技術の普及等を図っているところでございます。  講習会は、県内全域から参加いただけるよう複数の会場で開催し、省エネ住宅の技術のほか、基準や建築主への分かりやすい説明の手法などを参加者の方に習得いただいているところでございます。  さらに、県では協議会と連携して専門技術者による相談窓口を設置し、県民や県内全域の住宅事業者からの個別の相談に対し、電話、面談、現地訪問により、きめ細かく対応しているところでございます。  今後とも、最新の動向を踏まえながら、省エネ住宅が早期に普及できるよう住宅事業者への支援を行ってまいります。 ◆9番(佐口佳恵議員) (登壇)ありがとうございます。  土木交通部長に確認なんですけれども、施工というところの技術というところが、非常に長く使うものなので、施工の段階で断熱材が、例えば何十年ももつようにつけられるのかとか、技術とおっしゃってくださったんですが、今はどちらかというと説明の上手なイメージがありましたので、技術ということでよろしかったでしょうか。ということが1点と、そして、知事に、今回いろいろ私も改めて勉強し直しまして、IPCCのもレポートも部分的に、政策者向けですが、拝見しましたり、あと、環境省がオープンにされている県内事業者の皆さんの事業計画上のCO2削減のデータであるとか、様々拝見しましたときに、もちろん本推進計画も拝見しました。これを50%削減は、すごく頑張ってくださって、私は好意的にも捉えております。国の46%削減よりもさらに上がって50%削減に、そしてさらに高みにと言っていただいていることを非常にありがたく思っているんですけれども、逆に、IPCCが55%削減と言っているのを50%削減にするということの理由もさほどないのかなという気はしていまして、50%削減だったら必達できるけど、あと5%はできないんだという形の積算でもないようにお見受けしていまして、そうしましたら、やっぱりせっかく県内でこうしてムーブメントが起きている場面でもありますので、本体はがっかりしてやる気をなくしてはいけないというのがありますからおっしゃるとおりでいいと思うんですけれども、ちょっとした注釈に、さらなる高みとともにちょっと数値を入れてさしあげるだけで、また県内のムーブメントにつながるのかなと。あくまでこれは注釈ですという形でよいと思うのですが、その辺り、今、御即答は無理でも、検討していただけないかなというお願いがありまして、御見解をもう一度伺いたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 先ほどもお答えさせていただきましたとおり、種々検討いたしました結果、2030年度、この時点において2013年度比で50%削減するという、こういう目標を掲げようとしております。これは、議員も御指摘いただいたように、いやいや、東日本大震災以降、火力が増えた2013年度比でするんじゃなくて、その前の2010年度比でやるべきだという御見解だとか、世界、またIPCCの言っているような2013年度比でいくんであれば、今も御指摘がありましたように、さらに高い目標として定めるべきではないかといった、そういった趣旨の御提言等を私もいただいておりますし、事実、御意見等でも、パブリックコメント等でもいただいているところでございます。  ただ、この2013年度比50%削減というのも相当高い目標でございますので、これをみんなで実現達成に向けて努力しようという、まずは一歩として定めていきたいと思っております。ただ、この目標で満足して終わることなく、世界的には地球のためにはもっと高い目標を達成すべきであろうという、そういった御指摘、これは議会の特別委員会等でもたくさんいただいておりましたので、そういったことをこの計画の中にもきちんと明記して、まずはこの目標達成に向けて頑張るんだけれども、さらにその高みを目指そうという、そういうことを、ぜひ、みんなで確認できるような、そういう記述を考えてまいりたいというふうに思っておりますので、そういったことで皆さんのそういった意欲を喚起することができればと考えているところでございます。 ◎土木交通部長(野崎信宏) お答えいたします。  講習会等におきまして技術をしっかりと習得いただけるようにしているかというところの御確認だったかと思います。当然、省エネ住宅における技術というのは、まず、そこが基本にあるかと思います。その技術と、加えて、省エネ住宅等の基準もこれからいろいろ変わるところもどんどん出てくるかと思いますので、そういった基準の部分、そしてなおかつ、やはり施主さんがおられますので、そういう方にしっかり分かっていただけるというところを説明する力というものも要るかと思います。以上、技術と、その基準と、施主さんに分かっていただく説明力と、この3つを学んでいただくようにしております。 ◆9番(佐口佳恵議員) 終わります。(拍手) ○議長(富田博明) 以上で、9番佐口佳恵議員の質問を終了いたします。  次に、12番松本利寛議員の発言を許します。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇、拍手)不覚にもコロナに感染をいたしました。ここにおられる議員の皆さんを含め、特に琵琶湖・CO2ネットゼロ対策特別委員会の副委員長をいただいています重田議員には多大な御迷惑をおかけしたと思いますが、改めておわびを申し上げたいというふうに思います。  また、医療機関をはじめ保健所や関係者の皆さんに本当に親身に御指導いただいて、感謝を申し上げております。  私は、今回の感染を通じて、いかに早く感染を把握するか、このことの大事さ、それから、いかに早く隔離をするか、この大事さ、さらに、いかに早く医療に結びつけるか、この大事さを私は痛感をいたしました。幸い、私は医療機関や保健所の皆さんの適切な対処によって重症化に至るということはなかったんで本当にありがたく思っています。改めて、このコロナ感染の中で、こうした3つの原点を忘れないような体制の強化が必要ではないかというふうに思います。  さて、もう1点、前段に、今日の午後にも採決が予定をされています、国連憲章も国際法も踏みにじってウクライナの領土と主権を侵害したロシアの戦闘行動は紛れもない侵略行為です。本日午後の決議にも予定されていますが、私は、このロシア政府にウクライナ侵略を直ちに中止し、撤退することを強く求めたいというふうに思います。また、軍事行動と同時に、プーチン大統領がロシアの核大国を誇示しながら、核兵器による国際社会への威嚇、脅迫を行った行為は断じて許すわけにはいかないというふうに思います。今、ロシアを含めて世界中でロシアの蛮行を許さないとの声を上げていただいている方が広がってきています。1人でも多くの皆さんがこの声を上げて、行動に参加をいただくことを心から呼びかけたいというふうに思います。  それでは、発言通告に従いまして、一問一答で全て知事にお答えをお願いしたいと思います。  まず、令和4年度予算案と知事の政治姿勢についてお伺いをいたします。  知事は本議会において、新しい年度に向けた県政運営の方針とともに、7月の知事選挙に新たなチャレンジを決意したとして、今後の県政運営についての所信を述べられました。私は、知事の一連の所信表明に関わって、来年度予算について、知事の政治私見について質問します。  知事は、コロナ禍を経て、県が標榜している健康しがは足元が揺らいでいるとの認識を示すとともに、政治や経済活動を通じてグローバル化や中央集権化、効率至上主義などを追求してきた近代的な価値観が大きく変わろうとしている、そして、卒近代という時代の曲がり角にいるのではないかと強く意識しているとされました。その上で、健康しがの再構築を進めるために、これから数年間は集中的に子供の施策の充実を図るとされましたが、その問題意識と、中心的な施策が何なのか、改めて知事にお伺いをいたします。 ○議長(富田博明) 12番松本利寛議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)コロナに感染されたことにお見舞いを申し上げますと同時に、今も感染された方々の療養や治療に全力を尽くしていただいている方々に思いを寄せたいと思います。と同時に、感染してしまわれたことをわびなくてもよい社会をつくりたい、また、みんなでいたわり合える、そういう社会をつくっていきたいと存じます。  まず、今お尋ねいただきました、これから数年間、集中的に子供施策の充実を図るとした問題意識、中心的な施策ということでございますが、問題意識といたしましては大きく2点です。  少子化のさらなる進行と子供たちを取り巻く社会環境の変化がございます。特に目下のコロナ禍で子供たちが我慢を強いられる期間が長くなり、子供たちの健やかな育ちが損なわれることのないよう、そして、保護者の方々も安心して子育てを行えるよう、集中的な取組を進める必要があると考えているところです。  そのため、新たに10億円の子ども・若者基金を造成させていただくこととしており、この基金を活用するなどいたしまして、1つは子供が生まれる前からの切れ目のない支援と、もう1つは困難な状況にある子供、若者への支援に取り組んでいきたいと考えております。  令和4年度は、妊娠、出産の不安を解消するため、妊娠SOS相談、緊急的な居場所の確保、低出生体重児や多胎児を育てる家庭への支援を行いますとともに、子ども家庭相談センターの機能強化、地域における居場所づくりやヤングケアラーへの相談支援、社会的養護を離れたケアリーバーを支援する拠点の整備などの取組を進める予定でございます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)私は、子育てのライフステージの中でも最も大事な、命を守る、この施策である子供の医療費の無料化の充実が、本当に今、大事ではないかというふうに思います。知事が指摘されるグローバル化や効率至上主義の経済運営によって格差と貧困が広がっている社会の中で、安心して子育てを行うためには子供の医療費の無料化の充実が不可欠というふうに考えるんですが、知事の認識を伺います。 ◎知事(三日月大造) 県におきましては、子供の保健の向上と健やかな育成を図るとともに、子育て世帯の経済的負担の軽減を図るため、平成28年4月から、市町と連携しながら、自己負担と所得制限を撤廃し、就学前の子供の医療費の完全無料化を実施したところでございます。現在、市町では独自に小中学生や高校生までを対象に医療費助成制度を拡充されておられますが、県といたしましては、医療現場の状況や医療費の増加、県の財政状況等を勘案しながら、令和2年度の首長会議での議論を踏まえ、今後の在り方について、現在、市町と一緒に議論を進めているところでございます。  また、子供を安心して産み育てることができる環境づくりは国全体で取り組む重要な施策でありますことから、国において全国一律の医療費助成制度を構築することについて、全国知事会等を通じて提案、要望しておりまして、引き続き、国に働きかけてまいりたいと存じます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)既に県内の市町の間で子供の医療費の無料化に大きな格差があります。国民健康保険の都道府県化は、全国に先駆けて保険料率の統一を進め、保険料負担の増大を市町村に迫ることを進めながら、一方で、安心の医療給付の体制を築く子供の医療費の無料化が市町任せや国の制度改善待ちという姿勢では、県の役割、責任は果たせないんではないかというふうに思います。  知事はシガリズムを掲げて、子供たちが健やかに育つ環境を整えるには困難な環境にある子供、若者への支援を強化する必要があるとされました。改めて、子供政策の充実を図るというのであれば、子供医療費の無料化をその中心柱に据えるべきではないかというふうに考えるんですが、改めて知事の認識を伺います。 ◎知事(三日月大造) 今も申し上げたとおり、子供の医療費助成の制度は平成28年4月から、小学校入るまでの子供、全ての市町でそろえてというところまでは、今、制度をつくり、運用しているところでございます。財政状況が厳しくなってもこの制度はしっかりと維持できるように頑張っていきたいと思っておりますし、今もおっしゃったように、その上乗せとして、それぞれの市や町が独自に施策運営をされておられます。  そういったものをどこまでそろえていくべきなのか、その負担をどのように分かち合うべきなのかという議論は今始めておりますので、この議論を積み重ねることによって、今後、ありようを考えていきたいと存じます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)全国的な水準を見ると、県が行っている就学前という、入院、通院も含めて25県とか20県という水準になっています。それ以上の無料化を推進しているところは既にそれを超えているわけですね。知事がシガリズムで、「子ども、子ども、子ども」というふうに繰り返しておっしゃったんであれば、やっぱりこの全国的に進んでいる先進部分に滋賀は足を踏み出すべきだというふうに思います。そのことを申し上げておきたいというふうに思います。  次に、子供が安全かつ安心して生活できる環境を確保することは非常に重要な県の責務であるとされ、子ども家庭相談センターを日野町に新設されることは本当に歓迎をいたします。子供たちが心身ともに健康な生活を送るようにするための多様な居場所づくりへの支援がコロナ禍の中で求められていますが、子ども食堂は、格差や貧困が地域に大きな影を落としている中で極めて重要な施策です。県は過去に、行革の流れの中でこの事業の支援を廃止、縮小されましたが、改めて、子ども食堂への事業支援が地域から切望されています。子ども食堂に対する支援について知事の認識を伺います。 ◎知事(三日月大造) まず、行革の流れの中で支援を縮小したとの御言及、御指摘がございましたけれども、子ども食堂関連の県支出は、事業組替えなどで年ごとの変動はありますものの、減額していないということをまず申し上げておきたいと思います。  その上で、県といたしましては、公私協働の取組であります子どもの笑顔はぐくみプロジェクトを通じまして、子ども食堂開設時に10万円の助成を行っており、その後につきましては、県と包括連携協定を締結している企業等へスポンサー登録を呼びかけ、子ども食堂を支える応援団を増やし、御協力を賜りながら、地域の皆さんで継続的に支える環境づくりを進めているところでございます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)当初、300か所を全県に広げるという目標だったと思うんですが、県が見直してからこのスピードが落ちているんじゃないかと。現在、150か所ぐらいですかね。そういう意味からすれば、これはもっとやっぱり力を入れて、設置箇所も含めてスピードアップを図っていく必要があるというふうに思います。  次に、子供たちの教育環境の問題について伺います。  今現在もコロナウイルスの感染拡大がとどまらず、子供たちの間での感染も深刻です。子供の安全と学びの保障をどう両立させるのかが教育現場の最大の課題になっています。教職員の数が足りず、負担が大きい中で、子供たちのために様々な工夫が取り組まれています。  コロナパンデミックを経験した今だからこそ、思い切った教員の増員も図り、感染の抑止や一人一人の子供たちに目が行き届く教育環境を保障する少人数学級をさらに前進させるべきというふうに考えるんですが、知事の認識を伺います。 ◎知事(三日月大造) 目下、コロナ禍で子供たちの学びを止めないということで、現場で御奮闘いただいている教職員の方々に思いを寄せたいと思います。  新型コロナウイルス感染症対応をはじめ、社会の急激な変化、学校教育を取り巻く環境が多様化、複雑化する中にありまして、子供たちの学びを支える教育環境づくりは大変重要であると認識しております。  今年度から、国は新しい時代の学びを支える教育環境整備といたしまして義務標準法を改正し、小学校で段階的に学級編制基準を35人に引き下げているところでございます。本県では、平成27年度より、小中学校の全学年で35人学級編制を実施しているところでありまして、滋賀の子供たちの学びの充実のために次に取り組むべきことは何か、しっかりと考えてまいりたいと存じます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)今申し上げました子供の医療費の無料化や少人数学級の充実、これは知事の提唱されるシガリズム、「子ども、子ども、子ども」の子ども施策の充実というのであれば、この集中した期間の中で大きく前進をさせるということが本来のシガリズムではないかというふうに思います。国の制度改善待ちや国の制度の範疇を脱しないシガリズムとは一体何なのかが問われているんではないかというふうに思います。子育てするなら滋賀が一番と言われるぐらいの子供施策の充実でこそシガリズムではないでしょうか。  改めて、子供の医療費の無料化あるいは少人数学級の充実をシガリズムに位置づけて充実を強化するべきというふうに考えますが、改めて知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) シガリズムに強い賛意と、そして後押しをいただいたような気分でございますが、とはいえ、先生御指摘のとおり、具体に何をするのかということが問われているんだというふうに思います。  新年度から子供、次世代、重点的に取り組む柱の一つに位置づけております。子供を中心に据えて、子供のために子供と共にということを貫く県政をつくっていきたいと考えておりますし、今お尋ねいただきました、子供たちの健やかな育ちですとか学びの充実のために、国で法律が変えられましたけれども、県はそれよりも先んじて35人でやっております。教科担任制というものも新たに導入されておりますし、子供の医療費につきましては市町とともに議論を始めておりますので、今、しばしお時間をいただいて、こういったことごとにどのような次の方針を持っていくのかということについてはしっかりと考えてまいりたいと存じます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)次に、このコロナ禍で、とりわけ特別支援学校をめぐる学習環境は多くのところで過密状態です。この間、分離新設も含めて検討するとされてきた草津養護学校について、極めて不十分ながらも国の設置基準が出され、県が検討結果を出すべき時期に来ているというふうに言えます。大規模、過密な草津養護学校の分離新設について、その方針を示すべきというふうに考えるんですが、知事の認識を伺います。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  草津養護学校の教育環境の整備につきましては、これまでから様々な観点から検討を進めてきておりまして、喫緊の課題であります児童生徒数の増加による教室不足への対応といたしまして、令和5年秋の供用開始を目指し、校舎の増築を進めているところでございます。草津養護学校につきましては、令和3年9月に文部科学省より示された特別支援学校の設置基準は現時点では満たしておりますものの、大規模化や狭隘化の課題につきましては、引き続き、検討の必要があると認識しております。  県内全ての特別支援学校について、今後の児童生徒数の推移や教室等、施設状況などを総合的な観点から検討する必要があるものと考えておりまして、草津養護学校につきましても、分離新設を含めて、その中で様々な観点から丁寧に検討を重ねていきたいと存じます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)知事の政治姿勢に関わる最後の項目ですが、小児の難治慢性疾患を中心に、専門的治療と保健福祉一体の医療サービスを行う県立の子供病院、小児保健医療センターと県立総合病院との統合を前提に、その運営の形態の見直しを進めるとして、県立3病院の独立行政法人化、指定管理者制度への移行を検討するとされていますが、こうした運営形態の見直しは県立の公的医療機関としての機能や役割を担保できないのではないでしょうか。見直しの必要性も含めて、知事の所見を伺います。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  平成18年度に病院事業を地方公営企業法の全部適用に移行いたしましてから15年以上経過いたしますが、経営は依然厳しい状況が続いております。今後とも、県立3病院が提供いたします医療を継続、発展させていくためには、経営効率を一層高め、収支改善を図っていくことが不可欠でありまして、経営形態の検討も含め、あらゆる選択肢を念頭に考えていく必要があると判断したところでございます。  経営形態を見直す場合の公的医療機関としての機能や役割の確保についてでございますが、地方独立行政法人の場合は、設立団体である地方公共団体の長が、政策医療や不採算医療も含め、どのような医療サービスを提供するかを中期目標という形で県議会の議決をいただいて経て定め、法人に対して指示することとなってございます。また、指定管理の場合も、基本協定や業務に関する基準等の中で指定管理者が実施すべき医療の内容や水準を定めるのが一般的でございまして、こうした仕組みを通じて、県立病院としての必要な機能は確保、担保することができると考えているところでございます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)知事は経営形態の検討に当たって人材の確保だとか予算執行の迅速化、調達コストの抑制が図られるという利点を挙げる一方で、職員が急激な変化に不安を覚える、議会の直接関与がない、県民のニーズの反映が後退するなどのデメリットを挙げられました。しかし、今、独立行政法人化された大津市民病院で起きている理事長のパワハラ騒動と医師の引揚げによる診療科目の閉鎖の危機や、効率経営を推進するとして進められてきた老健施設の閉鎖や、労働条件切下げなどによる医師、スタッフの大量退職による病棟閉鎖などなど、利用者である市民に多大な犠牲を及ぼしました。効率的な経営を目指すとした病院経営が深刻な事態になっています。こうした問題は、大津市民病院に限らず、独立行政法人化を進めた全国の公立病院で多々生じています。  効率運営を理由に、理事長等の権限強化によるトップダウン経営、開設者や議会の関与とチェック体制の脆弱化、効率運営によるコスト削減圧力と人件費削減等による医師、職員、スタッフの大量退職等の人材流出、診療科目ごとに迫られるコストカット競争による医療体制水準の低下、不採算を理由に公益的事業の縮小、廃止などなど、こうした独立行政法人化による問題が表面化していることを知事はどのように認識をしておられるのか、所見を伺いたいというふうに思います。 ◎知事(三日月大造) 現在、地方独立行政法人に移行されておられる公立病院において、それが独法化の制度設計に全て起因しているとは判断しかねますが、実際に幾つかの課題が生じていることは承知しております。  経営形態についての詳細な検討は、来年度、行いますが、現時点の私の認識といたしましては、経営形態を見直すことで患者さんや働く職員に大きな影響や混乱を及ぼすことはあってはならないと考えております。ただ一方で、病院経営は長年厳しい状況が続いておりまして、今後とも県民の皆さんが望む医療を安定的に提供していくためには経営の立て直しにしっかり取り組んでいく必要があるとの思いも強く持っているところでございます。経営形態の見直しには大きな変化が伴いますが、重要なことは、効果、メリットをいかに高めるのか、また、課題や問題をいかに最小化するのか、また、医療と経営の面で、両面でどのように最適化を図っていくのかということだと捉えておりまして、来年度、そうした点に十分留意しながら、県民の皆様に御納得いただける方針を定めてまいりたいと存じます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)大津の市民病院が独法化される前の大津市議会の議事録をずっと目を通させてもらいました。今申し上げたようなことが独法化する前の議会で相当問題になって議論されているんです。しかし、議論された結果、今のような事態に、ある意味では、なっているということは、やっぱり慎重に議論を進めていくべきだし、公的医療機関としての県立病院の役割や機能を損なってはならないという点でいえば、もっと幅広く県民の意見を聞いた上で、あるべき姿を検討するべきだということを申し上げておきたいというふうに思います。  2問目の質問に移らせていただきます。  昨年の12月の議会において私は、県のCO2ネットゼロ社会づくり推進計画について知事の認識を問いました。特に地球温暖化防止に向けた危機意識の共有を重視すること、化石賞を受けた国のCO2削減計画が極めて不十分であること、CO2ネットゼロ社会づくりが持続可能な成長に道を開く新しい社会システムづくりなんだということ、そうしたことから、国も県もCO2削減目標を少なくとも2010年対比で50%以上に引き上げるべきだということを知事に問いました。しかし、知事は、2013年度対比50%削減という国の目標を上回る野心的な目標であり、この目標の実現は決して容易でないとの認識を示されました。  しかし、2010年対比では、国の41%削減に対して、滋賀の目標は38%に低下をいたします。国を下回ります。その後、県が行ったCO2ネットゼロ社会づくり条例と推進計画に対するパブリックコメントでも、他の例を大きく超える250件もの意見が寄せられ、しかも、この計画では不十分とする意見が多数寄せられ、県民の皆さんから大きな関心が寄せられています。特にパブリックコメントには大学生や高校生、中には中学生を含む非常に若い人たちが自分たちの未来に関わる重要な問題として関心を寄せていただいています。  このようにCO2ネットゼロ社会づくりの取組に非常に若い人たちがムーブメントを起こしています。このムーブメントの腰を折らないことが、今、大事だというふうに考えるんですが、知事の認識を伺います。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  今回の条例・計画案に対しまして、今も御紹介いただきました、大学生などの若い世代の方々からとても多くの御意見をいただきました。世界が直面する課題を自分事と受け止め、行動に移されている多くの若い人たちがいることを私も大変心強く感じているところでございます。
     県といたしましても、これからの社会を担う若者の意識と行動が重要であると考えておりまして、高校生や大学生が参画する次世代ワークショップの開催でありますとか学校等への出前講座など、若者がCO2ネットゼロ社会の実現に向けて自ら学び、取り組む機会の提供に努めているところでございます。  条例、計画を策定することがゴールではなく、これからも若い人たちをはじめとする多くの皆様とともに、CO2ネットゼロ社会の実現に向けてムーブメントを展開してまいりたいと考えております。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)寄せられたパブリックコメントには、より意欲的な計画にするための積極的な意見が多数寄せられています。「世界の気温上昇を1.5℃までに抑える必要性について触れられておらず、気候危機に向き合っていない」とか「2013年度対比50%削減は不十分だと思います」「全国に比して低い滋賀県の再生可能エネルギー導入目標をさらに引き上げる必要があるいうふうに思います」などなど、滋賀のCO2ネットゼロ社会づくり推進計画をより意欲的な計画とすべきとするパブリックコメントの意見をどのように県の計画に生かそうとしておられるのか、知事の認識を伺いたいというふうに思います。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  令和3年12月16日から1か月間実施いたしました県民政策コメントにおきまして、51の個人や団体の皆様方から182件もの御意見をいただきました。  今回いただいた御意見を踏まえた主な修正点といたしましては、2050年、CO2ネットゼロを達成した滋賀県の姿に未利用バイオマスの活用や、炭素の貯留、再利用技術を意味するCCUSの活用などの文言を追記いたしましたことや、CO2ネットゼロに向けた取組について理解を深め、意見交換する機会を設けていくこと、ムーブメントを創出するための人材の育成に関する内容を明記させていただきました。また、CO2ネットゼロ社会づくりに向けた施策を推進するため、財政上および税制上の措置について検討することを追記したことなどがございます。その他の御意見につきましても今後の施策等の参考にさせていただきたいと考えているところでございます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)今申し上げたパブリックコメントの中で多く寄せられている意見が方針と目標の項目なんです。この方針と項目の目標の中で、気温上昇を1.5℃に抑える国際水準から見ても低過ぎる、少なくとも2013年対比でも60%という水準に引き上げるべきじゃないかという意見が多数あります。全体の割合は、方針と目標の項目の中で52%を占めています。34件あります。  こういう若い人たちの気候変動に対する危機意識の表れだというふうに思います。知事は、こうした若い人たちの、CO2の削減目標を引き上げるべきとする多くの意見を県の削減計画にどう生かそうとされるのか、知事の認識を伺いたいというふうに思います。 ◎知事(三日月大造) 私も今月、直接、そういった若いメンバーの皆さんからの、目標をさらに高めるべきではないかといった趣旨の御提言を、直接、承りました。  この計画案では、温室効果ガスの排出量を2030年度において2013年度比で50%削減するという、国を上回る野心的な目標を掲げているところでございまして、この目標の実現は決して容易ではなく、まずはその達成に向けて、様々な主体と連携して取組を着実に進めてまいりたいと考えております。しかしながら、この目標に満足することなく、県民や事業者等の皆様とともに、さらなる高みに挑戦していくことが重要であると認識しております。  つきましては、琵琶湖・CO2ネットゼロ対策特別委員会での御議論等も踏まえまして、この計画にその旨を明記することとし、より実効性の高い施策を積極的に講じてまいる所存でございます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)パブリックコメントにはそうした削減目標を引き上げる根拠についても多数の意見が寄せられています。それは、化石燃料由来のエネルギーを削減をして、再生可能エネルギーへの転換を意欲的に行うというものなんですが、政府の2030年の電源構成でも再生可能エネルギーが36%から38%を占めるのに対して、県の目標は19%程度と低過ぎるという意見です。これもパブリックコメントで20件近く、割合にして30%の方が低過ぎるというふうに指摘をしておられます。  そこで、改めて伺いますが、県がCO2の削減計画で設定をしている再生可能エネルギーの導入目標値の設定は何を根拠にして設定されておられるのか、知事の認識を伺います。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  太陽光発電につきましては、環境省が令和元年度に行いました再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査に基づきまして、令和2年度に本県の実態を踏まえた調査分析を行ったところでございます。  今年度、この調査分析に基づきまして、一定の想定導入率を加味した上で導入目標量を算定しているところです。また、風力、小水力、バイオマスにつきましては、国の固定価格買取制度──FITの認定を受けた設備のうち、今後、稼働が見込まれるものを積み上げること等によって2030年の導入目標量を算定しております。  これらにより算定された再生可能エネルギーの導入目標量は176.6万キロワットとなり、その設備による発電量は本県における2030年の電力需要量の約25%相当となります。太陽光発電の割合で申し上げますと約20%となります。  なお、国の示している電源構成における再生可能エネルギーの割合は36%から38%であり、そのうち太陽光発電の割合は14%から16%となっているところでございます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)今知事がおっしゃった再生可能エネルギー導入計画の基礎になっているというふうに思うんですが、環境省が民間の研究所に委託をして策定をした再生可能エネルギーに関するゾーニング基礎情報等の整備・公開等に関する委託業務報告書に、滋賀県内における太陽光、小水力、風力などの再生可能エネルギーのポテンシャルの試算値を示していますが、その数値はどのようになっているのか、知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) 今お尋ねいただきました、環境省が令和元年度に調査した再生可能エネルギーの導入ポテンシャルのうち県内の主なものといたしましては、商業施設や住宅等の建築物における太陽光発電で303万キロワット、公共施設や工場、低未利用地、農地などにおける太陽光発電で3,310万キロワット、風力発電で181万キロワット、中小水力発電で約6万キロワット、合計で3,800万キロワットという推計になっております。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)今、知事が示していたように、再生可能エネルギーのポテンシャルが県内で3,800万キロワット、これはバイオマスやその他の再生可能エネルギーは含まれていないということなんですが、県の計画では、2030年の太陽光等の再生可能エネルギーの導入目標は、今おっしゃったように176.6万キロワットでしかありません。県内のポテンシャルの4.5%です。もっと再生可能エネルギー導入に向けた努力を払えば、県の再生可能エネルギーの導入のポテンシャルから見ても、再生可能エネルギーの導入目標の引上げは十分可能ではないんでしょうか、知事の認識を伺います。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  今、お取上げいただいております環境省の推計は、御案内のとおり、建物の強度ですとか実際の土地利用状況、自然環境への配慮等の個別の実態は考慮されず、最大の導入量を示されたものでございます。  これに対しまして、太陽光発電に関しましては、本県の実際の設置状況や自然環境などの実情を踏まえ、環境省の最大推計を精査いたしまして、導入ポテンシャルを絞り込んでおります。さらに、そのポテンシャルをベースといたしまして、実現可能な限りの積極的導入率を見込んで導入目標量を算定しているところでございます。また、太陽光発電以外の再生可能エネルギーにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、FIT認定済み案件など、今後、稼働が見込まれるものを積み上げさせていただいております。その結果、再生可能エネルギーの導入目標量を、先ほど申し上げたとおり、176.6万キロワットと定めております。  なお、これは2019年度の再生可能エネルギーの導入量の約2.1倍となっておりまして、太陽光発電で申し上げれば約2倍となっております。国全体におきましても、2030年度の太陽光発電の導入量は2019年度の56ギガワットの約2倍となる104ギガワットから118ギガワットを見込んでいるところでございますので、現実的にいけば、合理的な、かつ高い目標ではないかと考えているところでございます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)3,800万キロワットのポテンシャルが全部使えるなどということは申しません。しかし、先ほど佐口議員の質問にもありましたように、農地の用水路から取れる小水力であるとか、あるいはバイオマスであるとか、具体的に現地でどうなのかということを積み上げていけば、私はもっと可能性が広がってくると。そういうポテンシャルをいかに利用を拡大していくのかという姿勢が大事ではないかというふうに思います。そういう意味で、目標値も含めて、やっぱり見直していく必要があるというふうに思います。  先日、パブリックコメントを受けて、県議会の琵琶湖・CO2ネットゼロ対策特別委員会の議論でも、例えば「鳥取県は2013年度比で60%削減する。長野県は2010年度対比で60%削減を掲げている。県は、環境先進県たらんとする県から何を学び取って追いつこうとしているのか」とか「もっと頑張っていこうという前向きな意見に対して50%のままでよいという、消極的な姿勢に受け止められる書きっぷりはどうかと思う」「若い世代が意見を言ってくれるのはとてもすばらしい。十分に受け止めてほしい」などなど、より積極的な計画を求める意見が相次いだと聞いています。議論の途中ですが、知事の認識を改めて伺います。 ◎知事(三日月大造) 琵琶湖・CO2ネットゼロ対策特別委員会において、温室効果ガス排出量削減目標の設定も含め、この計画に関する内容について活発に御議論いただいております。このことには感謝申し上げたいと存じます。  今御紹介いただいた2月7日の特別委員会において御報告した県民政策コメントの結果についても、議員の皆様から御紹介のあったとおり、多くの御意見を承ったところでございます。いただいた御意見も踏まえ、先ほども申し上げたとおり、現在、計画で設定しております目標に満足することなく、県民や事業者等の皆様とともにさらなる高みに挑戦していくことをこの計画に明記していくこととしたいと考えているところです。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)るる申し上げたように、地球温暖化、気候変動に危機感を持つ若い人たちが、より積極的なムーブメントを起こそうとして頑張っておられます。また、議会でも、こうした若い人たちの声を生かせという声が上がっています。そして、さきのCOP26でも、全世界のCO2削減量は、2030年に2010年比で13.7%増加するとして、気温上昇1.5℃以下に抑える目標に届かないと。このため、2020年末までに2030年目標を再度見直し、強化することを各国に要請するとされました。削減目標の見直しが求められています。政府自身にも見直しが求められています。  そうした中で、より前向きなムーブメントをさらに推進するためにも、県が掲げるCO2の削減目標の設定を見直し、より積極的な行動計画とするべきというふうに考えるんですが、知事の認識を伺います。 ◎知事(三日月大造) 今、定めようとしております推進計画の削減目標につきましては、これまで県民の皆様、事業者の皆様、経済界、各種団体と意見交換を重ねながら、また、国の施策等をベースに算出した削減量に県の独自施策による削減量を上積みして設定したものでございまして、まずはこの目標の達成に向けて取組を着実に進めていくことが重要だと考えております。しかし、先ほど申し上げましたとおり、計画の目標に甘んずることなく、県民の皆様とともに、さらなる高みを目指す取組を進めていきたいと考えているところです。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)国自身が、2022年末までに見直せということをCOP26で求められたわけですね。国自身も見直さざるを得ないという状況になってくるわけなんです。来年の問題ではないんですね、2022年ですから。そういう意味からして、改めてこの数値目標は、知事おっしゃるように、さらに高みを目指すんであれば今からどれだけの目標値を設定してどう進めるのかということを議論し、検討していく必要が求められているんではないかというふうに思います。  地球の温暖化をストップさせ、持続可能な地球環境を取り戻す、カーボンニュートラルを2050年に実現するという計画に原子力発電の強化を求める議論があります。しかし、この議論は、行き場のない使用済み核燃料をさらに生み続けること、過酷事故を経験した今、原発事故は仮定の問題ではなく、起きれば地球環境はもとより生命や暮らしが根こそぎ奪われるという災害であり、現に、今なお故郷を追われなければならない人々が多数おられます。  そして、ロシアが侵攻した際にもチェルノブイリ原発をまず最初に軍事力によって制圧をするなどなど、テロも含めて、原発の存在そのものが極めて地球環境や人類にとって大きな危機をはらんでいるものだというふうに思います。  そういう点からすれば、改めて、持続可能な地球環境を取り戻すCO2ネットゼロ社会づくりの取組は、まず、エネルギー消費量の削減を思い切って推進をする、2番目に、再生可能エネルギーのさらなる拡大を進める、温室効果ガスの削減の目標を達成する、持続可能な地域と産業を構築する新しい社会システムへの大改革なんだということを共通認識にする、そして、その上に、計画に掲げた課題や設定した目標をどう達成するのか、英知を集めて、具体的な対策を示して実行することが何よりも重要だというふうに考えます。  改めてこのCO2対策に係る知事の認識を改めて問いたいというふうに思います。 ◎知事(三日月大造) 現在策定中の計画では、掲げた目標を達成するために「CO2ネットゼロ社会の実現に向けた挑戦」と題しまして、家庭、地域の取組を行うことはもとより、新たな産業、資源の地域循環、革新的なイノベーションを創出するとともに、県庁自身が率先的な取組を進め、ムーブメントの拡大を進めるなどの8つの施策の方向性を示しているところでございます。  ただ、私たちが思う以上に世界の流れは早いのかもしれません。CO2そのものを価値化し、それをブロックチェーン化して取引するということも既に行われようとしておりますし、そのことを見越したゲームチェンジやルールメーキングも既に始まっていると言われております。  今後も、より一層、様々な主体と連携を深め、英知を結集しながら、県民総ぐるみでこれらの施策を着実に推進いたしまして、CO2ネットゼロ社会の実現に向けて、滋賀から果敢に挑戦を行ってまいりたいと存じます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)県が作る計画書、まだ確定はしていませんが、目標数値も含めて、さらに高みを目指すということであれば、先ほど佐口議員も指摘をされましたけれども、やっぱり具体的な数値として、「皆さん、これを一緒に目指しましょうよ」という数値も含めて提示をして、その高みを共通の認識として実現をするということが大事ではないかということを申し上げて、質問を終わらせていただきます。(拍手) ○議長(富田博明) 以上で、12番松本利寛議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午後0時22分 休憩    ────────────────   午後1時25分 開議 ○議長(富田博明) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  最後に、22番周防清二議員の発言を許します。 ◆22番(周防清二議員) (登壇、拍手)それでは、最後の質問となりました。5日間、お疲れさまでございました。午前中もCO2に関しての質問でございましたけど、ちょっと全く違う方向からの質問になりますんで、川崎総合企画部長、最後に知事にお伺いしたいと思います。  CO2ネットゼロ推進におけるエネルギーについてということでお伺いいたします。  滋賀県CO2ネットゼロ社会づくりの推進に関する条例が議第19号として提案されております。これは、低炭素社会に向かう社会の中で、再生可能エネルギーの活用に対するこれまでの経過の中で案を出されてきたものと承知しておりますが、特に太陽光発電につきまして風向きが変わってきた模様かなという理解をしておりまして、そういったあたりで質問させていただきます。  まず最初に、国内の燃料費高騰についてであります。ガソリンの全国平均価格が170円台を上回ったことを受けて、政府は初めて値上げ緩和措置、これは170円を超えた分についてリッター5円を上限に石油元売各社に補助金を投入するという制度ですが、で卸値を下げる措置を発動いたしました。上限を25円にとか、ガソリン税のトリガー条項にも言及されている現状でございます。  低炭素社会に向かう方向性の中で、原油産油国は減産体制に入った。その中でバイデン政権がシェールオイルを増産しないことから供給不足になり、ガソリン価格上昇につながったと私は見ております。これは、政治的な動きを捉えた当然の動きだと思っておりまして、さらに、今回のウクライナ情勢で高騰することになり得る可能性があります。  インドネシアは石炭の自国を優先して輸出停止したことで石炭価格も上昇しております。天然ガスも、世界的な低炭素社会の流れによる中国や欧州での石炭からのシフトで今後ますます需要は増大する見込み。そんな中、ウクライナ侵略が起こったということでございます。  この化石燃料の高騰は、物流コストの増加のみならず、プラスチック原材料の高騰などで物価全体の上昇につながっておりまして、今、火力に頼っている電力は燃料調整費という賦課金に反映され、電気代も、今後、一気に上がることが予想されます。物価全体に影響を与えつつある燃料費や電気代の高騰は、市民生活のみならず、産業界にも大きく影響することになりますが、県は原因をどのように捉えているのか、お伺いいたします。 ○議長(富田博明) 22番周防清二議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎総合企画部長(川崎辰己) (登壇)お答えいたします。  燃料費等が高騰している原因といたしましては、産油国が減産体制に入ったことなど、先ほど議員が御指摘された点に加えまして、世界的に新型コロナからの経済回復によりエネルギー需要が増大をしていること、また、2020年前半の急激な価格の下落低迷や世界的な脱炭素化の流れの中で、国際金融市場で加速化する投資の撤退などによりまして、石炭、石油など化石燃料の資源開発が停滞していることなどが考えられるものと認識しております。  なお、ロシアのウクライナ侵攻に伴う原油や天然ガスの価格の上昇についても、今後、注視していく必要があると考えております。 ◆22番(周防清二議員) (登壇)ありがとうございます。そうですね、同じような認識ということで、ありがとうございます。  電気代の上昇は、燃料価格だけでなくて、電気料金に上乗せされている再エネ促進賦課金の上昇が原因で、近年、高くなっております。これは、再生可能エネルギーの固定価格買取制度、いわゆるFIT制度と言いますが、によって一気に太陽光発電が普及、特に全量を売電する大型発電施設には投資効果があるということで急激に増えた、そのことから、この賦課金単価はこの10年で0.22円/キロワットアワーから3.36円/キロワットアワーと15倍以上になっております。  いま一度、FIT制度とはどのような制度で、その現状について伺いたいと思います。 ◎総合企画部長(川崎辰己) お答えいたします。  FIT制度、すなわち固定価格買取制度は2012年に、再エネ特措法に基づき、再生可能エネルギーの導入を促進することを目的に創設された制度でございます。制度の仕組みは、再エネで発電した電気を電力会社が、一定価格で一定の期間、買い取るものでございまして、電力会社が買い取る費用の一部を電気の利用者に賦課金として電気料金に含めて負担させるということで再エネの導入を支えているものであると認識をいたしております。  FIT制度の現状につきましては、政府の公表によりますと、現在、賦課金単価はキロワットアワー当たり3.36円でありまして、2021年度の買取り費用総額3.8兆円のうち賦課金総額は2.7兆円と見込まれております。  なお、賦課金のうち約6割は2012年の制度導入後3年間に認定された太陽光発電に係るものでございまして、直近の認定に係る太陽光発電においては、その負担額は、相当程度、低下してきているというふうに認識しております。 ◆22番(周防清二議員) (登壇)ありがとうございます。要約するか、簡単に言いますと、太陽光発電など再エネ発電が増えるほど自動的に国民負担が増える仕組みとなっているわけで、これが問題だと私は思っております。  太陽光発電の設備使用率は約13%から17%との試算があって、本来、投資対象にはならないのですが、このFIT制度により、国民が再エネ促進賦課金を負担することで利益が生まれる構造になっております。これにより、投資対象として大規模太陽光発電所が次々と建設されてまいりました。  資源エネルギー庁では、2030年に見込まれる太陽光発電の地上設置導入量は55ギガワット程度と推計されておりまして、1ギガワットはおよそ1,000ヘクタールが必要となることから、全国で約5万5,000ヘクタールの面積が必要となります。今回の県の推進計画では、太陽光発電は2030年に現在から倍増する計画であります。県の推進計画では、どのような土地にどれだけの面積が利用されるとされているのか、お伺いします。 ◎総合企画部長(川崎辰己) お答えいたします。  現在策定中のCO2ネットゼロ社会づくり推進計画では、2030年度の太陽光発電の導入目標におきまして、設備容量として82万キロワットを導入することといたしておりまして、その内訳は住宅で40.2万キロワット、非住宅で41.8万キロワットとしております。  住宅につきましては、経済産業省の公表データを参考に、1件当たりの設備容量を4.3キロワットといたしますと、約9万戸分に相当することとなります。また、公共施設、工場、耕作放棄地といった非住宅につきましては、環境省の推計方法を参考に、1平方メートル当たり設備容量を0.08キロワットといたしますと約500ヘクタールに相当することとなります。 ◆22番(周防清二議員) (登壇)ちょっと再質問させていただきますが、非住宅というのは森林を指すのか、それ以外、何を指すのか教えてください。 ◎総合企画部長(川崎辰己) ただいま申し上げました非住宅とは、商業施設あるいは公共施設、工場、あるいは低未利用地や耕作放棄地、そういうものを含んでいると理解しています。 ◆22番(周防清二議員) (登壇)ありがとうございます。これからは、森林ではなくて工場や事務所、住宅の屋根などに設置するというふうなことでございます。  熱海で土石流事故が起こりまして、全国的に、これまでの許可物件で周辺住民との間で問題が噴出しております。滋賀県でも、大津市で山林や住宅隣接地に設置されることで、地元住民55人が樹木の伐採で土砂災害が誘発される可能性があると訴えて滋賀県と大津市に工事許可の取消しなどを求める審査請求を行われております。国会でも取り上げられ、茨城県笠間市では、中国系の太陽光パネル事業者が倒産して放置され、土砂が田んぼ2枚を埋め、道路も塞ぎました。この対応を市の税金で処理されたとのことであります。里山を壊さないでとの住民運動も起きております。  萩生田経済産業大臣は、必要があれば、法律で対応することも含め、検討を続けたいと述べられております。環境省も、埼玉県小川町で山林破壊や土砂災害への懸念で10年ぶりにブレーキをかけました。環境省は、太陽光パネルの設置に関するガイドライン等を設けてはいるものの、法的拘束力がないため悪質な業者を排斥できない現状がある、また、太陽光電力買取り価格も徐々に下がっており、全国各地で事後管理を放棄し、連絡が途絶える事業体も出てきているとのことであります。  太陽光発電事業は、リゾート開発や工業団地とは異なり、雇用を生みません。無人で20年間、事業を行い、事業が終わったらはげ山が残るだけと言われております。滋賀県の場合は、山はこれからはしないということでございますんで。現状はそうでございます。  植生への長期的な影響等を懸念して、省エネ発電設備の設置に抑制的な条例を制定する自治体が2021年末には175件に大幅増加いたしました。政府の第6次エネルギー基本計画では、再生可能エネルギーの導入に際し、適地の確保や地域との共生などの課題に対し、関係省庁が一体となって取り組むこととされており、また、今回の条例案には、第49条で再生可能エネルギー発電設備を設置しようとする者は、設置する場所周辺の自然環境への負荷の低減、その他の自然環境の保全に努めるとともに周辺住民の良好な生活環境の確保に配慮するよう努めなければならないとあります。努力義務になっておるんですけど、これはしっかりと、全国の状況を踏まえて厳格な運用をしていただきたいと、これは申し添えておきたいと思います。  さらに、中国系をはじめ外国資本が太陽光発電事業者となっている物件があります。例えば上海電力日本株式会社のホームページには、大阪市南港、兵庫県三田市、茨城県つくば市、栃木県那須烏山市の4か所が明示されております。太陽光発電パネルの生産は、現状、中国がほとんど独占状態で生産しておりますが、中国から発電パネルを買って、設置場所によっては周辺住民の生活環境に災害をもたらす可能性もあって、発電利益を生むための再エネ促進賦課金を日本国民が負担し、その利益は、国内で循環されるならまだしも、海外に持ち出されている。さらに、パネルの処分には日本国民が多額の費用を負担することになる。このようなスキームが全国的には起こっているわけでして、滋賀県低炭素社会づくりの推進に関する条例の目的にある、豊かな県民生活および経済の成長の実現を図りながら持続的に発展することができる社会の構築に寄与するとは言えないのではないかと思っております。  滋賀県にある太陽光発電の収益は、滋賀県内に還元されるような地産地消型の普及が重要と考えますが、見解を伺います。 ◎総合企画部長(川崎辰己) お答えいたします。  太陽光発電をはじめ再エネの地産地消の普及につきましては重要であると認識をいたしておりまして、策定中の推進計画では、地域で発電したエネルギーを地域内で効率的に利用する仕組みの構築を目指すとしているところでございます。  具体的には、VPP、いわゆるバーチャル・パワープラント、仮想発電所でございますが、このVPP等による高度なエネルギーマネジメントを生かしまして、地域新電力も視野に入れて、一定の地域における複数の施設において発電したエネルギーを面的に利用する仕組みの検討を行うなど、資源の地域内循環による地域の活性化に取り組んでまいりたいと考えております。  なお、先ほどお話のありました再生可能エネルギー導入に際しての適地の確保につきましては、改正温対法に盛り込まれました再エネ導入促進区域を市町が定める際の環境配慮の方針となる県の考え方について、今後しっかりとお示ししてまいりますとともに、個別法やガイドライン、条例等を総合的かつ適切に運用することで、地域と共生し、自然環境と調和した適切な太陽光発電の導入に取り組んでまいりたいと思っております。 ◆22番(周防清二議員) (登壇)地産地消という意味合い、消費するのは当然、地元ですけども、エネルギーだけではなくて、それに関わってくる利益、お金の流れも地産地消であることということを注視していただきたいなと思っております。  それでは次に、その廃棄処分についてお伺いいたします。太陽光発電パネル発売当初に設置されたパネルは20年が経過しようとしておりますが、まず、その太陽光パネルの耐用年数についてお伺いします。 ◎総合企画部長(川崎辰己) お答えします。  太陽光パネルの法定耐用年数は17年でありますが、製品としての寿命は、資源エネルギー庁のエネルギー白書2021によりますと、25年から30年程度とされているところでございます。 ◆22番(周防清二議員) (登壇)17年から30年ということでございますが、発売当初に設置されたパネルはそろそろ寿命が来るということになります。  太陽光パネルにつきまして、NHKが太陽光パネル大廃棄時代がやってくるという特集番組を放映しております。2018年に寿命を終えた太陽光パネルは4,400トンだったのが、2040年頃にはその180倍以上となる年間80万トンになると試算されているとのことであります。  耐用年数経過後の廃棄処分についての方法はどうなると考えておるのかお聞きします。 ◎総合企画部長(川崎辰己) お答えいたします。  太陽光パネルの廃棄処分につきましては解体撤去を行う排出事業者において適正に行われるべきものと考えますが、その際の処分の方法につきましては環境省において各種ガイドラインの整備がなされておりまして、資源の有効利用の観点から、まずリユース、次にリサイクルを検討する必要があるとされております。なお、リサイクルできないものについては管理型の最終処分場で埋立て処分をすることとなると承知しております。 ◆22番(周防清二議員) (登壇)そうですね。最終的に埋立てになってしまうんですね。  この費用ですけども、平均で20万円、リサイクル業者を使うと50万円以上かかるとも言われます。50万かかるんだったらそのまま埋めてしまえというような処分も考えられるわけでして、こういった費用を含めると、新規住宅、新規に戸建て住宅に設置することをちゅうちょするということもあるし、既設の場合は不法投棄されることもあります。  今度、法改正によりまして、来年度からFITに代わる新たな制度、FIPが開始されるわけですけど、廃棄に対する対策も含まれていると承知しておりますが、これを含めて、普及を促す制度となり得るのか、お伺いいたします。 ◎総合企画部長(川崎辰己) お答えいたします。  令和4年4月1日から施行されます改正再エネ特措法に基づくFIP制度につきましては、電力市場に連動させながら再エネの売電価格に一定の補助額を上乗せするものでございまして、賦課金の国民負担を抑制しつつ、再エネの導入を促進するものであると認識しております。  また、太陽光パネルの適切な廃棄を促すための対策といたしまして、廃棄費用について、原則、外部積立てを発電事業者に対し求める制度が、同法に基づきまして、この7月から順次適用されますことから、適正な廃棄処分の確保に効果が発揮されるというふうに期待をいたしております。
    ◆22番(周防清二議員) (登壇)ありがとうございます。が、そのとおりできるのかちょっと疑問がつきますが。  国や県の計画どおりに、今後、導入された場合ですが、2030年までは再エネ賦課金は上昇すると私は思いますが、再エネ賦課金に関しましては今後どのようになると考えておられますか。 ◎総合企画部長(川崎辰己) お答えいたします。  制度上、再エネの買取り費用が、毎年度、認定された分が累積され、増加していくことに伴いまして賦課金総額も増加していくということになりますが、直近の認定に係ります太陽光発電におきましては買取り費用は、相当程度、低下をしてきておりまして、今後、増加幅は小さくなっていくというふうに考えております。さらに、2012年のFIT制度導入当初に高い買取り価格で認定を受けた事業用太陽光発電などにつきまして、2032年度以降、20年間の買取り期間が順次終了していきますことから、それ以降は買取り費用の減少が見込まれるというところでございます。  こうしたことから、賦課金につきましては2030年代前半にピークアウトしまして、その後は減少していくのではないかと見込んでおります。 ◆22番(周防清二議員) (登壇)ありがとうございます。いずれにしても2030年まではどんどん電気代が上がっていくという認識が必要だということでございます。  今後は、自動車のEV化やデジタル化の進行で電力需要がますます増加することになります。パネルの更新需要も出てくるわけで、推進計画の目標を達成しようとすれば今あるパネルの更新も必要だと思うわけですけども、投資効果がなければ廃止もあり得ます。また、太陽光発電を今後も増やすことで電力料金の国民負担が増えることが国の第6次エネルギー基本計画でも課題となっております。  そもそも太陽光発電は昼間のみ稼働する出力不安定の発電設備であります。それを補って、送電量と受電量を均衡させるよう、電力事業者は運転していただいているわけですが、そのために動いているのが応答性のよい火力発電で、今後、再エネ発電が増えれば増えるほど火力発電が必要不可欠となります。ところが、再エネ電力で採算の取れない老朽化した火力発電の休止や廃止が進んでいることもあり、この冬の電力事情は逼迫しておりまして、電力融通で賄っている状況であります。これが今後、数年続く可能性があるとのことでもあります。  天然ガスやガソリン価格は、低炭素社会に向かう方向性の中で、また、今回のウクライナ侵攻で需給が逼迫し、増産しない限りこの流れは止まりません。  このような中、県は、太陽光パネル更新を円滑に進めるために、また、将来の県民負担を増やさないための方策についてはどのように考えておられるのかお伺いいたします。 ◎総合企画部長(川崎辰己) お答えいたします。  県民負担を増やさないための方策としまして、令和4年度に、家庭や事業所への太陽光発電設備の導入に対する支援を拡充することに加えまして、新たに初期投資ゼロで設備導入ができるPPAモデルの普及拡大にも取り組むことといたしております。  PPAモデルとは、発電事業者が電力消費者の屋根や敷地に太陽光発電設備を設置し、発電された電気を電力消費者が購入する契約でございまして、設置に係る費用や再エネ賦課金を必要としないことから、更新に当たっても負担を増やさない方策であるというふうに考えております。 ◆22番(周防清二議員) (登壇)ちょっと理解が違っていましたけど、再エネ賦課金がかからない方法がPPAだということですね、今の話ですと。  屋根を貸して、電気代が安くなるのであれば、それは進む可能性はありますが、今まで屋根を使っていた、既に設置されていた家が自家消費で電気代が安く済んでいたところが、PPAになることで支払いが発生することに、電気代としては上がっていくこともあり得ますんで、そういうことで、どれだけ進捗するのかなというのは非常に疑念を持っているところはあることはあります。  いずれにしても、化石燃料の需要を減らすことが、今後、必要ではないのかなと思いますし、また、今もありましたけど、賦課金のかからない電力を増やすことが必要なんではないかなと思います。  ここからはちょっと原子力発電についてお聞きさせていただきたいと思います。  エネルギー源が海外の動向に左右されにくい、最もCO2を排出しない安定電源というのが原子力発電だと思っております。  欧州の動きを少し述べますと、福島の事故以来、再生可能電力を主力電源にしようとしたドイツは太陽光と風力発電に力を入れてきましたが、住民からの反対もあって、今年は風が吹くのが少なかったのか、エネルギー危機に陥っているとのことであります。ドイツは、原子力発電を今年中に停止するとして、現状は石炭火力発電が主力であるが、その石炭も2038年には中止すると言います。結局、原発大国フランスから電力を購入し、ロシアからパイプラインで輸入する天然ガスに頼ることになっておりますが、ウクライナ情勢もあって、経済制裁で運用を認められません。結局、自分で自分の首を絞めていることになっているわけです。そのために、発電時に二酸化炭素を排出しない原子力発電の活用を求める声が、ドイツのみならず、欧州全体で広がっております。  欧州委員会は2月2日、一部の天然ガスおよび原子力発電について、条件つきで、地球温暖化抑制につながる持続可能なグリーンな投資、タクソノミーと認定する最終案を発表いたしました。この欧州の状況をどのように考えるのかお伺いいたします。 ◎総合企画部長(川崎辰己) お答えいたします。  報道等で聞き及んでいる限りではございますが、脱炭素社会の実現に向けまして、再生可能エネルギーへの転換を最終目標としながらも、それまでの移行期間は、原発や天然ガスを一定の条件の下で活用するものと理解をいたしておりまして、EUの構成国の間でも様々な意見があるものと承知をいたしております。このような欧州の動向につきましては今後とも関心を持って把握に努めてまいりたいと思っております。 ◆22番(周防清二議員) (登壇)天然ガスもCO2は、少ないとはいえ、排出するわけですから、これが同じようにグリーンエネルギーと認証されるというのには、私はどっちかというたら納得いかない方向ではあります。  知事は今議会で原子力発電の将来の見通しが不透明と述べられましたが、欧州の動きのように、実は今、世界では小型モジュール炉、SMRというモジュール炉でございますが、原子炉が70種類も開発されて注目されているわけです。小型で安全性、経済性を高めたSMRは空冷が可能で、外部注水に頼らず自然冷却する、言わば、現在の原発が水冷高出力エンジンとすれば、SMRは小型バイクの空冷エンジンのようなものと言えるわけです。  原子力発電は危険という概念はこの技術で世界的には下火になっており、アメリカ、カナダ、イギリスなどはSMRへの投資を加速するなど、安全な原子力発電を二酸化炭素削減のために活用しようとする国が増えております。  中国では既に稼働して、アメリカで建設中、カナダでは認可が下りたとのことであります。また、フランスでは、新たな投資プランにSMRや原子力による水素製造実証を盛り込んでおります。その先端技術を実は日本が持っております。  政府は、昨年6月に閣議決定した成長戦略実行計画で、2030年までSMR技術の実証、高温ガス炉の要素技術確立を進めるとのことであります。  SMRに対して県はどのような所見があるのか伺います。 ◎総合企画部長(川崎辰己) お答えいたします。  SMRにつきましては、世界中で様々な動きがあることは報道等で承知をいたしております。我が国におきましては、2020年代末の運転開始を目指す海外の実証プロジェクトと連携した日本企業の取組を政府が支援しているものと理解をいたしております。  なお、このプロジェクトはまだ実証段階でありますことから、このような中長期を見据えた新たな技術開発等に係るプロジェクトに関しましては、今後ともその行方を見てまいりたいと思っております。 ◆22番(周防清二議員) (登壇)簡単に答えられてしまいました。もう少し詳細に言っていただけるかと思いましたけど。  既にその技術を確立していて、実証運転をこれからしていこうという時代に入ってきているということでありますんで、やはりそれは大きく、重く置いていただけると、これからのエネルギー政策については、やっぱり考えなあかん技術の一つだろうなと私は思っております。  それでは最後に、知事にお伺いさせていただきたいと思います。  バブル崩壊後、30年間、国民所得は横ばいどころか下落方向であります。一方で、太陽光発電を設置できない国民には賦課金という負担が増える。これでは格差が広がるだけで、再生可能エネルギーが豊かな県民生活および経済の成長の実現を図りながら持続的に発展する社会、誰一人取り残さない社会を生むのかは少し疑問が残るところであります。  CO2ネットゼロの考えは、環境意識の醸成や新たな技術開発、イノベーションの目標にはなると私は思っております。その実現のために、CO2は出さないが課題の多い太陽光発電を倍増しても、その不安定さを支えるだけの電力が必要であります。それをCO2を出す火力で補っていては元の木阿弥であります。その火力のエネルギー源は、今、戦略物資となっているところでありまして、これを海外に頼ることは、ドイツが反面教師となってくれているところでございますが、欧州のように隣国から電力を融通できない日本は、CO2を出さない安価で安定した電力を自前で補う、つまりエネルギー自給率を上げる必要があるのではないかと思います。それには、午前中も少し話がありましたが、水力発電、あるいは水素発電、そして、SMRのような安全な原子力発電があります。小水力発電の推進はすぐに県のほうでも推進していただけることだと思いますし、水素発電やSMRは、将来のこととはいえ、実用化が近い状況になっております。  今現在でも世界中で最も高い日本の電気料金です。この日本の電気料金がさらに高騰すれば、日本企業の海外生産拠点がせっかく日本に回帰しようとしているこの時期にこの動きも止まり、滋賀県の企業誘致のみならず、結果、日本の産業競争力が低下して、日本の国力の衰退につながっていくと思います。  エネルギー源を海外に依存しない、安価で安定した自前の電源を持つことは安全保障面で大変重要なことだと思いますが、知事の見解をお伺いしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  我が国は化石資源に恵まれず、四方を海に囲まれ、国際連系線がないということなど、エネルギー供給の脆弱性を抱えております。また、資源国における情勢変化の影響等を背景として供給不安に直面するリスクを常に抱えておりまして、今もお話ございました、安価で安定、何より安全なエネルギー安全保障の確保は我が国の大きな課題であり続けると認識しております。  もとより基幹電源を確保し、安定的な電力供給体制を整えることは国の責務であり、このような課題を克服し、安価で安定的かつ安全な国産エネルギー源を確保していくために、我が国として、再生可能エネルギーを主力電源として最大限導入するとともに、可能な限り原発依存度を低減していくとの方針の下、各般の取組が進められているものと認識しております。  本県といたしましては、2050年までのCO2ネットゼロの実現に向けて、現在、提案させていただいております条例案や策定中の計画に基づき、さらなる省エネ化、地産地消、循環利用など、加えて再生可能エネルギーの導入を可能な限り促進してまいりたいと存じます。 ◆22番(周防清二議員) (登壇)ありがとうございました。  再生可能エネルギー全てを僕は否定するわけじゃないんです。とにかく、やはり賦課金という形で国民全体に電気代が回ってきていて、そのお金がさらに日本の経済を回すような仕組みであれば別に僕はいいと思いますが、それが海外に出ていくようなことにはなってはならないと思いますし、やっぱりそれが新たな技術を生んでいく、そういった引き金になっていくこと、それはありがたい、いいことだと思っておりますし。  ただ、いわゆる原発アレルギーのように皆さんおっしゃいますけど、原発も実は安全になりつつあるということを知っていただきたいなと思って、今回、説明させていただきましたし、さらに、今後、いずれ核融合とか別の技術も出てくるでしょうが、それまでのつなぎの間に、無理無理、何とか再生可能エネルギーというのも、やはりどこかでひずみが出てくるんじゃないかなというふうに思っております。そういう意味では、今ある新しい技術をどんどん取り入れていただいて、滋賀県にもそういうことができる可能性もなきにしもあらずです。  いずれにしても、現実的な判断を知事にはお願いしたいなと思っております。知事は、大戸川ダムで、異常気象による災害を捉えて現実的な判断をされました。ですから、エネルギーに関しても現状をしっかり捉えていただいて、現実的な判断を国にしっかり伝えていただきたいなと、こんなふうにお願いしておきたいなと思っております。  最後となりましたので、今日は川崎総合企画部長に集中的に質問させていただきましたが、最後に、議場におられる退職される方々に御礼を言おうと思ったんですが、半分おられないですが。いずれにしても、本当に退職される皆さんは、長い間、県政に大変御尽力いただきました。今後もまた多方面から、それぞれの立場から滋賀県の県政の発展のために御尽力をお願いしたいなと思っております。  以上で終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手) ○議長(富田博明) 以上で、22番周防清二議員の質問を終了いたします。  以上で発言通告がありました発言は終わりました。  この際、関連質問はありませんか。    (「なし」)  関連質問なしと認めます。  以上で一般質問を終わります。    ──────────────── △議第1号から議第16号まで(令和4年度滋賀県一般会計予算ほか15件)(予算特別委員会の設置、同委員会付託および同委員の選任) ○議長(富田博明) 日程第2、議第1号から議第16号までの各議案を一括議題といたします。  お諮りいたします。  本件につきましては、40名の委員をもって構成する予算特別委員会を設置し、当委員会に付託いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。    (「異議なし」)  御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。  お諮りいたします。  ただいま設置されました予算特別委員会の委員の選任については、委員会条例第5条第1項の規定により、議長および副議長を除く全議員を指名いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。    (「異議なし」)  御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。    ──────────────── △議第17号から議第51号まで(滋賀県CO2ネットゼロ社会づくり推進基金条例案ほか34件)ならびに請願の各常任委員会付託 ○議長(富田博明) 日程第3、議第17号から議第51号までの各議案ならびに請願を一括議題といたします。  本件につきましては、お手元に配付いたしておきました文書のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。           ──────────────────────────────                  令和4年2月定例会議議案付託表                                        令和4年2月28日(月) 〇予算特別委員会  議第1号 令和4年度滋賀県一般会計予算  議第2号 令和4年度滋賀県市町振興資金貸付事業特別会計予算  議第3号 令和4年度滋賀県母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計予算  議第4号 令和4年度滋賀県中小企業支援資金貸付事業特別会計予算  議第5号 令和4年度滋賀県林業・木材産業改善資金貸付事業特別会計予算  議第6号 令和4年度滋賀県沿岸漁業改善資金貸付事業特別会計予算  議第7号 令和4年度滋賀県公債管理特別会計予算  議第8号 令和4年度滋賀県国民健康保険事業特別会計予算  議第9号 令和4年度滋賀県土地取得事業特別会計予算  議第10号 令和4年度滋賀県用品調達事業特別会計予算  議第11号 令和4年度滋賀県収入証紙特別会計予算  議第12号 令和4年度滋賀県モーターボート競走事業会計予算  議第13号 令和4年度滋賀県琵琶湖流域下水道事業会計予算  議第14号 令和4年度滋賀県病院事業会計予算  議第15号 令和4年度滋賀県工業用水道事業会計予算  議第16号 令和4年度滋賀県水道用水供給事業会計予算 〇総務・企画・公室常任委員会  議第17号 滋賀県CO2ネットゼロ社会づくり推進基金条例案  議第19号 滋賀県CO2ネットゼロ社会づくりの推進に関する条例案  議第20号 滋賀県職員定数条例の一部を改正する条例案  議第21号 滋賀県知事の権限に属する事務の処理の特例に関する条例の一部を改正する条例案  議第22号 滋賀県職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例案  議第23号 滋賀県特別職の職員の給与等に関する条例および滋賀県議会議員の議員報酬等に関する条例の一部を改正する条例案  議第24号 滋賀県職員等の給与等に関する条例等の一部を改正する条例案  議第25号 滋賀県個人情報保護条例の一部を改正する条例案  議第28号 滋賀県使用料および手数料条例の一部を改正する条例案  議第30号 滋賀県行政財産使用料条例の一部を改正する条例案
     議第51号 包括外部監査契約の締結につき議決を求めることについて 〇土木交通・警察・企業常任委員会  議第29号 滋賀県警察関係事務手数料条例の一部を改正する条例案  議第34号 滋賀県道路占用料徴収条例の一部を改正する条例案  議第35号 滋賀県建築基準条例の一部を改正する条例案  議第36号 滋賀県屋外広告物条例の一部を改正する条例案  議第37号 ふるさと滋賀の風景を守り育てる条例の一部を改正する条例案  議第42号 滋賀県地方警察職員の定員に関する条例の一部を改正する条例案  議第43号 滋賀県地方警察職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例案  議第44号 契約の締結につき議決を求めることについて(大津能登川長浜線補助道路整備工事)  議第45号 契約の締結につき議決を求めることについて(神郷彦根線補助道路整備工事)  議第46号 契約の締結につき議決を求めることについて(日野川広域河川改修事業橋りょう改築工事) 〇環境・農水常任委員会  議第47号 権利放棄につき議決を求めることについて  議第49号 国の行う土地改良事業に要する経費について関係市町が負担すべき金額を定めることにつき議決を求めることについて  議第50号 淀川水系における水資源開発基本計画の変更について意見を述べることにつき議決を求めることについて 〇厚生・産業常任委員会  議第18号 滋賀県子ども・若者基金条例案  議第26号 滋賀県後期高齢者医療財政安定化基金条例の一部を改正する条例案  議第27号 滋賀県国民健康保険財政安定化基金条例の一部を改正する条例案  議第31号 滋賀県児童福祉法に基づく指定通所支援の事業の従業者ならびに設備および運営に関する基準等を定める条例等の一部を改正する条例および滋賀県障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業の従業者ならびに設備および運営に関する基準等を定める条例等の一部を改正する条例の一部を改正する条例案  議第32号 滋賀県児童福祉法に基づく児童福祉施設の設備および運営に関する基準を定める条例および滋賀県児童福祉法に基づく指定通所支援の事業の従業者ならびに設備および運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例案  議第33号 滋賀県立視覚障害者センターの設置および管理に関する条例の一部を改正する条例案 〇教育・文化スポーツ常任委員会  議第38号 滋賀県希望が丘文化公園の設置および管理に関する条例の一部を改正する条例案  議第39号 滋賀県市町立学校の県費負担教職員の定数に関する条例の一部を改正する条例案  議第40号 滋賀県奨学資金貸与条例の一部を改正する条例案  議第41号 滋賀県公立学校職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例案  議第48号 権利放棄につき議決を求めることについて           ──────────────────────────────                   請  願  文  書  表 △請願第1号 県立高校1人1台タブレット端末の公費導入を求めることについて 請 願 番 号 第1号 受 理 年 月 日 令和4年2月17日 件     名 県立高校1人1台タブレット端末の公費導入を求めることについて 請願者住所氏名 (略) 紹 介 議 員 黄野瀬明子 節木三千代 付 託 委 員 会 教育・文化スポーツ常任委員会 審 査 結 果 請 願 要 旨  2021年7月2日の滋賀県議会において、県教育委員会は、2022年度から県立高等学校および特別支援学校高等部(以下、高等学校等)の入学生にタブレット端末を自費で購入させるという方針を公表した。  滋賀県内では2020年度に、小中学校の児童生徒が使用するタブレット端末が、国の補助金を使って整備された。他府県では、高校においても、備品として購入したものを利用する予定のところや、既にそうしているところも多数あり、24自治体は公費導入されることが決まっている。しかし、滋賀県の高等学校等では保護者負担による自費購入としている。  タブレット端末の自費購入については、実証研究のためとして、2校の県立学校で今年度入学生から先行導入されている。先行実施されている学校での購入費用は、約5万円または約9万円となっている。現状でも高等学校等入学時の保護者負担は、学校により違いがあるものの、約10万円から約20万円となっている。生徒、保護者にとって、現在でも教育費の負担は大きく、その解決が求められている中で、特に出費が大きい入学時に、さらに5万円から10万円弱もの負担を強いることは看過できない。  12月17日、2月7日に公費導入を求める署名11,661筆を県教育委員会に提出した。提出の様子が報道され、自費購入に対する滋賀県民の不満が高まっている。署名提出の場で県教育委員会は、来年度からの活用について「走りながら進めていく」と説明しており、十分な準備が整わない中での保護者負担による導入に怒りの声が上がっている。  12月に行われた第3回滋賀県総合教育会議で先行導入された学校の報告を受け、三日月知事は「試行錯誤の域をまだ抜けないところもある」と発言した。デジタル教科書も通常の2倍の金額が必要で、国レベルでも実用化が進んでいない。中学校での端末活用も学校により大きな差があり、全ての中学校で十分に活用されるには時間がかかる。  各校から保護者に対して端末活用の目的や具体例が十分に示されず、生徒、保護者が納得していない状態で保護者負担は大きな問題である。このような状況を踏まえ、以下の項目について議会で審議をいただきたく請願する。 1 県立高校1人1台タブレット端末を公費導入すること。           ──────────────────────────────                   請  願  文  書  表 △請願第2号 里親委託の推進に係る具体的取り組みを求めることについて 請 願 番 号 第2号 受 理 年 月 日 令和4年2月18日 件     名 里親委託の推進に係る具体的取り組みを求めることについて 請願者住所氏名 (略) 紹 介 議 員 清水ひとみ 田中松太郎 桑野仁 木沢成人 節木三千代 付 託 委 員 会 厚生・産業常任委員会 審 査 結 果 請 願 要 旨  全ての子どもの育ちを保障する観点から、平成28年に児童福祉法が改正され、家庭養育優先の理念を規定し、実親による養育が困難であれば、特別養子縁組による永続的解決や里親による養育を推進することが規定された。  しかし、平成28年の児童福祉法改正以降、滋賀県の里親委託率は、平成29年4月の40.7%をピークに低下の一途となっている。具体的には令和2年3月には36.5%、令和3年3月には34.7%、令和3年9月においては33.7%と低下が見られ、施設への措置率が増加している。  社会的養護推進計画における目標値達成(令和6年48.3%)のためには、児童相談所、フォスタリング機関、里親の連携を強化することが不可欠であると考える。子どもの最善の利益の実現のために、委託先の不足が深刻である大阪府など、他府県からの委託を受け入れる広域化を進めることも有効だと考える。昨年生じた大津市の事件でも、都道府県をまたいだ移動に絡んで事件が起きており、連携不足による悲しい事件を防ぐためにも意味のあることである。  また、近年における県内特別養子縁組件数は、平成28年度と令和元年度の9人をピーク値として横ばい状態で、子どものパーマネンシーの保障の観点から5年以内に倍増させるとした国の目標にはほど遠い状況である。  以上のような現状に鑑み、下記事項を請願する。             記 1 里親委託率の向上を図ること。特に就学前の子どもについては里親委託を優先すること。 2 特別養子縁組については、県内民間機関との情報共有、連携の強化を図ること。 3 里親、フォスタリング機関、児童相談所はコミュニケーションを密にし連携を図ること。措置や措置解除の際には、子どもの最善の利益を念頭に子どもの意見表明権に配慮し、関係者を含む話し合いの機会をもつこと。 4 社会的養護に不可欠な施設と里親の活用を図るため、委託先の広域化に向けた取組を進め、国にも働きかけること。           ──────────────────────────────                   請  願  文  書  表 △請願第3号 子どもの医療費助成を、中学卒業まで拡充を求めることについて 請 願 番 号 第3号 受 理 年 月 日 令和4年2月18日 件     名 子どもの医療費助成を、中学卒業まで拡充を求めることについて 請願者住所氏名 (略) 紹 介 議 員 黄野瀬明子 松本利寛 杉本敏隆 節木三千代 付 託 委 員 会 厚生・産業常任委員会 審 査 結 果 請 願 要 旨  子どもの医療費助成制度は、子どもが安心して医療にかかることができる制度として重要な役割を果たしている。家庭の収入の違いによって、命と健康に差をつけないため、医療費の心配をなくすことは、子育て支援にもなる。特に、コロナ禍の中、保護者の不安を取り除くことにもつながる。  これまで、私たち新日本婦人の会は、1993年から全国の統一要求として「国で乳幼児の医療費の無料化」の運動を続けている。  今、県下では、住民の世論と運動で子どもの医療費助成の拡充が広がっている。入院費の助成は、18市町が中学卒業まで実施、通院費については、1市を除く市町で県制度(就学前まで)を上回って助成され、中学卒業までも12市町で助成されている。  この制度を県として中学卒業まで拡充することにより、子育て世代の保護者の心配をなくすこととなり、自治体にとっても大きな助成になると思う。  以上の点から、下記事項の実現を求めて請願する。 【請願事項】  県として子どもの医療費助成を、中学卒業まで拡充すること。           ──────────────────────────────                   請  願  文  書  表 △請願第4号 滋賀県CO2ネットゼロ社会づくり推進計画の強化を求めることについて 請 願 番 号 第4号 受 理 年 月 日 令和4年2月18日 件     名 滋賀県CO2ネットゼロ社会づくり推進計画の強化を求めることについて 請願者住所氏名 (略) 紹 介 議 員 田中松太郎 駒井千代 節木三千代 付 託 委 員 会 総務・企画・公室常任委員会
    審 査 結 果 請 願 要 旨  2030年、GHG削減目標を大幅に引上げていただいたことを感謝する。  しかし、現目標は1.5℃目標には整合しておらず、具体的で実効性のある対策もあまり見当たらないため、気候危機による被害を最低限に抑えて県民の未来を守るには不十分であると考える。  1.5℃目標達成が我々人類にとっての最後のとりでであり、それ以上の気温上昇では、気候災害のさらなる深刻化や悲劇的な生態系の崩壊が確実に起こり、氷河の融解などの進行、それらによる不可逆的な悪連鎖発生の可能性があることを科学者たちは警告している。  さらに、このままのペースでは10年足らずで1.5℃に達するだけのCO2を排出し切ることが分かっており、大幅削減に向けた対策は待ったなしの状況である。  環境先進県として、他県にもムーブメントを広げるような、社会のあらゆる側面における前例のない移行が急務である。さらなる目標値の引上げを期待すると同時に、私たち若者も県の本気の取り組みを支持し、ネットゼロムーブメントの一役を担い全力で行動することを誓い、下記のとおり請願する。             記 1 2030年温室効果ガス削減目標50%(2013年比)以上を目指す努力を追求すること。 現目標は2010年比にすると38.5%であり、国の同年比の41.7%を下回っている。1.5℃目標達成には世界のCO2排出量を2030年までに2010年比45%以上削減することが必要であり、日本は2013年比60%以上削減が必要だと分析されている。現在の目標数値を上回る心意気での努力を希求する。 2 より具体的で削減に実効力のある施策の明記と目標数値等を盛り込んだロードマップを作成すること。 県主導で産業、家庭、公共施設など全ての分野における省エネ化と再エネ利用などを推進する具体的な施策が必要である。同時に、それらを着実に進めるための具体的な道筋を示したロードマップの作成を求める。 3 計画の進捗状況の評価を毎年、民主的で透明性の確保されたプロセスで行うこと。 気候変動においては、年単位で状況が大きく変化するため、計画の推移に関する毎年の点検、そしてそれらの過程に市民を参加させ民主的で透明なプロセスで行なうことが必要だと考える。           ────────────────────────────── △陳情についての報告 ○議長(富田博明) なお、陳情については、お手元に配付いたしておきました一覧表のとおりであります。           ──────────────────────────────                   陳  情  一  覧  表 △陳情第1号 「沖縄戦戦没者の遺骨等を含む土砂を埋立てに使用しないよう、政府に求める意見書」提出を求めることについて 陳 情 番 号 1 受 理 年 月 日 令和4年2月18日 件     名 「沖縄戦戦没者の遺骨等を含む土砂を埋立てに使用しないよう、政府に求める意見書」提出を求めることについて 提  出  者 (略) 要     旨  沖縄県糸満市摩文仁の平和祈念公園内にある「平和の礎」には、犠牲になった241,632名の方々が刻銘されている。  その中には、滋賀県内から召集され犠牲となった1,691名もの若い兵士の方々も含まれている。  糸満市を中心に広がる沖縄本島南部地域は、1972年の本土復帰に伴い、戦争の悲惨さや命の尊さを認識し戦没者を慰霊するために、戦跡としては国内で唯一となる、自然公園法に基づいた「沖縄戦跡国定公園」として指定された。  同地域では、戦争で犠牲を強いられた民間人や、命を落とされた兵士の遺骨が残されており、戦後76年を経過した今でも、戦没者の遺骨収集が行われている。  先の大戦で犠牲になった人々の遺骨が入った土砂を、埋立てに使用することは、死者を冒涜し、人道上許されるものではない。  よって、貴議会が国および政府に対して、地方自治法第99条の規定によって、下記の事項を速やかに実現するよう要望することを陳情する。           記 1 沖縄戦の戦没者の遺骨等が混入した土砂を、あらゆる埋立てに使用しないこと。 2 日本で唯一、住民を巻き込んだ地上戦があった沖縄の事情に鑑み、戦没者の遺骨収集の推進に関する法律により、日本政府が主体となった戦没者の遺骨収集を実施すること。 送 付 委 員 会 厚生・産業常任委員会           ────────────────────────────── △決議第1号および決議第2号(ロシアによるウクライナ侵攻を非難する決議(案)ほか1件)(議員提出) ○議長(富田博明) お諮りいたします。  決議第1号ロシアによるウクライナ侵攻を非難する決議案および決議第2号北朝鮮による弾道ミサイル発射に抗議する決議案が議員から提出されました。  この際、これを日程に追加し、直ちに議題といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。    (「異議なし」)  御異議なしと認めます。よってこの際、決議第1号議案および決議第2号議案を日程に追加し、直ちに議題とすることに決定いたしました。            ─────────────────────────────── △決議第1号 ロシアによるウクライナ侵攻を非難する決議(案)                                           令和4年2月28日 滋賀県議会議長 富 田 博 明 様                                    提 出 者  中 村 才次郎                                           奥 村 芳 正                                           清 水 鉄 次                                           今 江 政 彦                                           節 木 三千代                  議 案 の 提 出 に つ い て  令和3年度滋賀県議会定例会令和4年2月定例会議に下記の議案を提出します。                          記  決議第1号   ロシアによるウクライナ侵攻を非難する決議(案)            ………………………………………………………………………………  本年2月21日、ロシアはウクライナの一部である「ドネツク人民共和国」および「ルハンスク人民共和国」の「独立」を承認する大統領令に署名するとともに、ロシア軍に軍事基地等の建設・使用の権利を与える「友好協力相互支援協定」に署名し、両「共和国」との条約の批准、自国領域外での軍隊の使用に関する連邦院決定など、一連の措置を進めた。そして、同月24日、ロシア軍はウクライナへの軍事侵攻を開始した。  これらは、ウクライナの主権および領土の一体性を侵害するとともに国際法に違反する行為であり、断じて許容できるものではない。また、その影響はヨーロッパにとどまるものではなく、アジアを含む国際秩序を揺るがす重大な事態であり、本県としても看過できるものではない。  よって、本県議会は、ロシアによるウクライナ侵攻に対し厳重に抗議し強く非難するとともに、ロシア軍が即時に完全かつ無条件で撤退するよう強く求める。  政府におかれては、国際社会とも連携し、アジアを含む他の地域でも力による現状変更は決して許されないという意思を発信するとともに、あらゆる外交資源を駆使し、ウクライナをはじめとする国際社会の速やかな平和の実現に全力を尽くされるよう、強く求める。  以上、決議する。   令和4年2月28日                                          滋 賀 県 議 会            ────────────────────────────── △決議第2号 北朝鮮による弾道ミサイル発射に抗議する決議(案)                                           令和4年2月28日 滋賀県議会議長 富 田 博 明 様                                    提 出 者  中 村 才次郎                                           奥 村 芳 正                                           清 水 鉄 次                                           今 江 政 彦                  議 案 の 提 出 に つ い て  令和3年度滋賀県議会定例会令和4年2月定例会議に下記の議案を提出します。                          記  決議第2号   北朝鮮による弾道ミサイル発射に抗議する決議(案)            ………………………………………………………………………………  北朝鮮は、本年1月に4週間弱で7回に及ぶかつてない頻度で弾道ミサイルなどの発射を繰り返し、2月27日には本年8回目となるミサイルを発射した。  これらの発射は、一連の国連安保理決議に明確に違反するものであり、我が国の排他的経済水域内に落下してはないといえども、新たな態様での発射を繰り返すなど、我が国と地域および国際社会の平和と安全を脅かす一方的かつ重大な挑発行為であって、断じて容認できるものではない。  よって、本県議会は、北朝鮮に対し厳重に抗議し強く非難するとともに、更なる挑発行為を行わないよう強く求める。  政府におかれては、関係国と緊密に連携し、一連の国連安保理決議の完全履行に向けた外交努力を行うとともに、北朝鮮の核・ミサイル・拉致問題の解決に向けてあらゆる選択肢を検討した上で必要な措置を講じ、我が国の平和と国民の安全・安心の確保に万全を期すよう、強く求める。  以上、決議する。   令和4年2月28日                                          滋 賀 県 議 会            ────────────────────────────── ○議長(富田博明) お諮りいたします。  決議第1号議案および決議第2号議案については、提出者の説明、質疑および委員会付託を省略いたしたいと思いますが、これに御異議ございませんか。    (「異議なし」)  御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。  これより討論に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありませんので、討論なしと認めます。  これより採決いたします。  決議第1号議案および決議第2号議案を一括採決いたします。  決議第1号議案および決議第2号議案を原案のとおり可決するに賛成の方は、御起立願います。    〔賛成者 起立〕  御着席願います。起立全員であります。よって決議第1号議案および決議第2号議案は、原案のとおり可決いたしました。  お諮りいたします。  ただいま議決されました決議中万一字句等について整理を要する場合は、その整理を本職に一任されたいと思いますが、これに御異議ありませんか。    (「異議なし」)
     御異議なしと認めます。よって、そのように取り計らいます。    ──────────────── △休会の議決 ○議長(富田博明) お諮りいたします。  明3月1日から9日までは委員会審査等のため休会いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。    (「異議なし」)  御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。    ──────────────── ○議長(富田博明) 来る3月10日は、定刻より本会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。   午後2時12分 散会    ────────────────...